今日のグルーヴ〈363〉
本田美奈子さんの「つばさ」は、オーケストラとの同録(同時録音)だったとご本人が語っていた。 これは、現在の録音事情からすると考えられない。現在は、同録どころか、人間が演奏する生の楽器すらも使われなくなっている。ほとんど、打ち込みである。...
今日のグルーヴ〈362〉
歴史を繙かなくても、平和と戦争の一線を画すのは、一国の元首の決断次第である。 国の運命を左右するのは、元首という地位の名称を付帯していようが、一個人である。 一国の元首と言えども、体調の良い日もあれば良くない日もある。決断の良い日もあれば、良くない日もある。...
今日のグルーヴ〈361〉
毎年、この季節になると、戦争を振り返る報道がテレビ等でたくさんなされているが、以前では知らされなかった新しい史実がどんどん明らかになってきている。 特にアメリカにある資料が開放されてきているためであろう。 戦争直後から数十年程度は、戦争に関わる当事者が存命なために、極秘な部...
今日のグルーヴ〈360〉
伏線を張る、ということは人生は計算づくであるということだ。 計算するという意味で似たような言葉に、あまり良い意味ではないが、釜を掛ける、という言葉もある。 あるいは、含みをもたせる、示唆する、匂わせる、それとなく言う…といった言葉がある。...
今日のグルーヴ〈359〉
映画やドラマでは、伏線を張ることが常であるが、イタリア映画は伏線だらけで、しかもその伏線は、すべて女性や家族に対するサービスが根底にあって、イタリアのお父さんと日本のお父さんは、本当に大変である。 例えば、イタリア映画「ライフ・イズ・ビューティフル」は、最初から最後まで伏線...
今日のグルーヴ〈358〉
高校二年の息子の吹奏楽コンクールは早々に終わったが、コンクールは勝ち負けであるから、勝ちに拘るのであれば、勝つ方法をとらなければ勝てない。 逆に言えば、現状にあった勝てる方法をとれば、どこの楽団でも、楽器の経験年数が短くても、簡単に勝てる、ということである。...
今日のグルーヴ〈357〉
アーティストというのは、伝統をリスペクトしつつも打破する人である。 あらゆる分野でアーティストはいる。 例えば、将棋はたった81マスしかない世界にもかかわらず、コンピュータを活用してさらに新手が創造され続けている。 我こそは一番強いと思う人ばかりが、プロになっていくのだろう...
今日のグルーヴ〈356〉
ふと思った。アーティストとアーティストでない人との違いとは何か。 アーティストでない人は、どんなに楽器が上手くてもアーティストではない。 楽器が上手な人はたくさんいる。でもそれだけではアーティストではない。 アーティストは、誰かより上手いとか下手とか、そのような対象にはなら...
今日のグルーヴ〈355〉
8月12日は、巨匠ヴァイオリニストのジェラール・プーレ氏の79回目の誕生日である。数え年では傘寿。彼のファン、彼を慕う大勢の生徒さん、そして音楽仲間が彼の誕生日を祝った。 会はプーレ氏と生徒さん、音楽仲間によるコンサート形式で行なわれた。プーレ氏の十八番(おはこ)であるドビ...
今日のグルーヴ〈354〉
散文は、俳句や短歌のような定型や韻律や詠嘆を持たないが、文体というものがある。 勿論、散文も定型や韻律や詠嘆を持っていけない理由はないだろう。 言葉の選び方、削り方は、俳句に学ぶところがあるような気がする。 五七五しかない俳句では、極力いらない言葉を削らなければならない。そ...