今日のグルーヴ〈224〉
もうこの世の音楽において、メロディは出尽くしたと思われている節があるが、プロコフィエフによれば、音の組み合わせは無限にあるらしい。 実際、ポップス、映画音楽、歌謡の音楽は、とりあえず新曲が出続けている。 メロディが枯渇したと思われている理由の一つに、現代の作曲家が易しいメロ...
今日のグルーヴ〈223〉
稀勢の里が奇跡的な優勝のあと、彼の言動はまた一段と頼もしくなった。どんなことがあっても、平常心を保つ、そしてそのことの効用を体験した彼は、不動心を持たれたに違いない。 ところで、我々は実際、理屈では分かっていても、平常心、不動心を持つことが難しいことを知っている。分かってい...
今日のグルーヴ〈222〉
熱しやすく冷めやすい国民性ゆえか、熱病のように国会では一つのテーマが議論されているが、こんなに国会や委員会等の貴重な時間を使って良いのだろうか。日本の将来を決定的に左右する問題、もっと議論しなければならない問題は他に山ほどあるのではないか。...
今日のグルーヴ〈221〉
グルーヴを生み出すものには、舞曲、ダンス、バレエがある。 チャイコフスキーの三大バレエは、いずれも美しいメロディ、魅力的なメロディ、バラード満載であるが、チャイコフスキーの魅力はリズムにある。そしてグルーヴにある。やはり根底にあるのがバレエであるからだろう。...
今日のグルーヴ〈220〉
ソフィスティケイト(洗練)の危険性 プロとアマとは何が違うのか。それは僅かにレベルの差と言われた方がいる。僅かなレベルの差、という表現は言い得て妙である。私は、ここに一つ付け加えたい。 ソフィスティケイト(洗練)の差である、と。...
今日のグルーヴ〈219〉
金管楽器の場合、最低音からハイトーンまで、一つのアンブシュアで音作りをすると、楽器がppであろうがffであろうが“鳴っている”という実感を得られる。 また、これはあくまでも個人的な感覚であるが、楽器の材質がほどよく共鳴し振動しているのを感じられ、またアンブシュアにも心地良い...
今日のグルーヴ〈218〉
金管楽器のメソードは、音階練習にしても、アルペジオにしても、何にしてもほぼ、その楽器の最低音から書き始めている。それに対して、我々や先達は、比較的音の出しやすい音域から始めようとしてきた。 例えば、B管のトランペットの一番低い音は実音Fisであるから、メソードに書いてある音...
今日のグルーヴ〈217〉
トランペット等の金管楽器の場合、大抵の人がダブル・アンブシュア(口の形が低音域と高音域とでは異なること)になるのであるが、どの音からアンブシュアが変わるのかは、人それぞれである。 その事と、歌における地声からファルセットへ移行するのと事情が似ているような気がしてならない。実...
今日のグルーヴ〈216〉
精神的脱力奏法 演奏の本番においては、どうしても力むものであるが、力んでいいことは一つもないことは誰もが経験していることである。 そこで、意図的に肉体的に脱力をするのであるが(脱力の方法はいろいろある)、これが意外と勇気のいることである。しかし、一度冒険する価値はあると私は...
今日のグルーヴ〈215〉
グルーヴとは積極性と同義であると考える。 グルーヴは本来誰でも持っているものである。であるから、グルーヴを知らない人、認識していない人でも、演奏にはグルーヴがあるはずである。 にも関わらずグルーヴが感じられない演奏が多々あるということは、環境や複雑な世の中のために、押し込め...