今日のグルーヴ〈193〉
多くの演奏家は、アインザッツを完璧にしようとする。指揮の打点にぴったり合わせようとする。しかし、合わせようとして合うのと、結果的に合っている演奏とでは、似て非なるものがある。 特に管楽器奏者に、アインザッツの呪縛は、強迫観念のようにまとわりついている。私も当然のように思って...
今日のグルーヴ〈192〉
ヴァイオリン奏者やヴィオラ奏者は顎関節症になりやすい。顎で楽器を挟んで弾くために、噛み締め、その結果、顎のずれが生じ、それが不自然な姿勢につながり、頭痛や首の懲り、肩こり、腰の痛み吐き気など、不定愁訴と言われる症状にまで進行しかねないのである。...
今日のグルーヴ〈191〉
小川先生の治療との出会いは、カルチャーショック以上の衝撃であった。もし、治療を受けていなかったら、私はとっくの昔にトランペットを吹くことをやめていたかもしれない。 小川 学先生にお会いする以前に、私は「すべての管楽器奏者へ―ある歯科医の提言」で、管楽器奏者の歯の重要性を説か...
今日のグルーヴ〈190〉
今日は、トランペットの大恩人、長年お世話になっている歯科医の小川学先生の所へ歯の治療の為に久しぶりに伺った。 小川先生には歯の治療だけでなく、取材や原稿で大変お世話になった。 最初、弦楽器奏者の顎関節症のことで、小川先生の研究や治療法を取材し、その後、連載原稿を書いて戴いた...
今日のグルーヴ〈189〉
女性のグルーヴ感について。 女性の書く文体とロジックには独特なものがある。 書きたいことがあるのだが、どうも上手く文章が整理されない、表現ができないさらに考えも整理できないとき、女性の意見を聞くと、すっきり整理されることがよくある。...
今日のグルーヴ〈188〉
長いようで短いようで長い人生には、いろいろなことがある。昨日の記者会見で皇太子殿下が、国民と苦楽を共に…と仰せられた。目から鱗のような感慨を覚えた。そのお言葉が、国や国民、そして人生そのものであることが改めて感じられた。 すべてに理由があるように思えてきた。...
今日のグルーヴ〈187〉
玉木宏樹先生は、固定ド絶対音感教育を受けた方だが、百害あって一利なしとまで言われて否定していた。 固定ドは様々な楽曲を演奏するための器楽奏者の妥協策であるから否定はできない。 しかし絶対音感教育で作られた音感は、いつか修正しないと演奏することが困難になる。...
今日のグルーヴ〈186〉
玉木宏樹先生にとって、純正律の啓蒙は玉木ワールドの一つであった。ところが革命的音階練習はピタゴラス音律で演奏しなければならない。当然と言えば、当然であるが、音楽は、そう簡単に話がすむ世界ではない。そこが、音楽の難しいところでもあり奥深いところでもあり、魅力でもある。...
今日のグルーヴ〈185〉
ヴァイオリニストで作曲家の玉木宏樹さんは、いつも何かに怒っていた。音楽界のことに関しても、世の中のことに関しても。ただ、考えてみればごくごく当然の当たり前の真理をいつも彼は言っていたのであるが、当然の当たり前のことが通用しないのが、世の常である。...
今日のグルーヴ〈184〉
ヴァイオリニストで作曲家の故・玉木宏樹氏のことは、何度となく書いてきた。彼は自ら「七色のヴィブラートを持つ」と公言していた。 彼の左指は、指先の骨がたわむくらい柔らかかった。動きの俊敏さも超絶的だった。 それは、彼自ら考案した「革命的音階練習」によって培われたものである。...