今日のグルーヴ〈254〉
かつてイタリアの世界的なコントラバス・クァルテットの『オクトバス4』のメンバーに話を聞いたときのことだ。 彼らの言によれば、イタリアのコントラバス奏者の多くは、ギターやエレキ・ギターから始めて、その後コントラバスに転向する人がほとんどらしい。最初からコントラバスを弾くのは難...
今日のグルーヴ〈253〉
時々、ネタ探しに昔の文章を漁ることがあるが、当時のことが思い出されて懐かしく思うことがある。 昔、自分の文章を書く場は、紙媒体では編集後記、ネット関係ではブログがあった。そう言えば携帯ブログというのもあった。しかしネットの世界もいろいろ淘汰が激しい。いつの間にか絞られていた...
今日のグルーヴ〈252〉
ドビュッシーは歴史上、音楽史上の人物になってしまったが、ジェラール・プーレさんによって、身近に感じることのできる大作曲家である。 リサイタル『ドビュッシー三昧』が近付いてきた。 1917年5月5日のドビュッシーのヴァイオリン・ソナタの初演からちょうど100年目、来たる5月5...
今日のグルーヴ〈251〉
dマガジンが誕生し、すでに普及しているApple Music やAmazonプライムやhulu、青空文庫といったクラウド・コンテンツと合わせたら、知りたい新しい情報、読みたいもの、聴きたい音楽、見たい映画、映像等は、ほぼ居ながらにしてすべて手に入る時代になった。...
今日のグルーヴ〈250〉
政治家の本音というのは、即失言に繋がるそうだ。 しかし、思っていることは、どうしても出てしまうものだ。無理することなく、本音、あれば自身の主義主張を遠慮せずに表現してほしい。その方が有権者としては分かりやすい。 ところで、出世しそうな人を、末は博士か大臣か、と昔は言ったもの...
今日のグルーヴ〈249〉
アンドレのアンダンテを聴いたら戦争をする気にはなれない。 音楽演奏史上、燦然と輝く世紀のトランペット奏者モーリス・アンドレに会ったとき、彼は芸術に保守的なものがあってはならない、と言われた。 奏法についても質問した。 「奏法に関して、どのアンブシュアが良い、というものはなく...
今日のグルーヴ〈248〉
ミサイルが発射されたら、警報が鳴るという、これはもうすでに戦時体制ではないか。 地下へ避難したり、頑丈な建物に入ったり、ガラス窓から離れたり、という指示があるが、本当にミサイルが落ちてきたら、地下はともかく、こんなことで身の安全がはかれるのだろうか、と小学生でも疑問に思うだ...
今日のグルーヴ〈247〉
以前、玉木宏樹先生と、革命的音階練習を作ったときのことだが、シューマンの名言“知性は指を動かすが、単なる肉体練習で指は動かない”を理念としていたのである。 何が革命的なのかと言ったら、音階を長調、短調の二種類だけでなく、旋法(モード)にまで拡げたことが、革命的の一つだった。...
今日のグルーヴ〈246〉
哲学者の土屋賢二先生の哲学は、すべての常識を疑うところから始まる、しかしすべてに疑問を持つ行為そのものの有効性は信じているわけで、結局それは、信じる行為そのものではないだろうか。 それはともかく、その伝でいけば、世の中のすべての常識に疑問を持つことは、道を一歩進める上で有効...
今日のグルーヴ〈245〉
ひとりの人間の中には、進化している部分と退化している部分とが同居している。 私の場合、例えば体力に関しては、明らかに衰えているだろう。しかし、風邪をひくことが極端に少なくなった。この歳になると、インフルエンザにもかからない。ほとんどのインフルエンザに対して免疫ができたからで...