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今日のグルーヴ〈448〉

近年、メディアに対する不信が、世界的に政治家から国民まで広がっている。頑なにメディアに沈黙を続けたり批判したりする人は、既存のメディアを全く信用していないに違いない。メディアの端くれにいた者として、それは正しいと言いたい。


そもそも、事実がそのまま伝わることはかなり難しいことである。正確に伝えようとしたとしても、かなり難しいということは、我々は伝言ゲームの経験から知っている。


にもかかわらずさらに悪質なのは、何を伝え何を伝えないのか、そういった恣意の下、都合のいいように情報を組み立てることである。


いくらでも世論を誘導することができるのである。勿論現代では、それは周知のことであるが、それでもいまだに誘導されてしまうのである。


編集者やジャーナリストは、文字通り情報の取捨選択が仕事のようなものであるから、情報の操作が得意である。


編集者、ジャーナリストは、本来は黒子であるべきだと私は思うが、人の言動を材料にして、自分の主張をする人もいる。情報に対して、率直な感想や意見を言う事とは似て非なる行為である。主張したいものがあるのであれば、自らの名の下に主張すべきである。


真実を把握するには、現場にいない限り、フィルターがかかっていない映像、録音にかなうものはない。一次資料として最も重要で信用できるものである。


取材、編集されたものすべてがいけないとは思わないが、残念ながら、取材と編集の行為の瞬間から既に二次資料であるという宿命から逃れることはできない。

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