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今日のグルーヴ〈361〉

毎年、この季節になると、戦争を振り返る報道がテレビ等でたくさんなされているが、以前では知らされなかった新しい史実がどんどん明らかになってきている。


特にアメリカにある資料が開放されてきているためであろう。


戦争直後から数十年程度は、戦争に関わる当事者が存命なために、極秘な部分もあったのだろう。


戦争を語ることのできる人がどんどんいなくなり、後世に戦争の悲惨さが継承されていかないのではないかという懸念の反面、史実が、映像や録音や文献で明らかになるということもある。


しかし、いろいろ知れば知るほど恐ろしいのは、人間は、一歩間違えば、神にも悪魔にもなるということである。


おそらく人間性というのは、一面だけで語られるものではなく、少なくとも二面性以上あるということである。


簡単に言えば、一人の人間が、真逆の感情や思想を持つ、ということである。


しかも、戦争という極限状態においても、その行動を左右するのは、普段生活しているときとさほど変わらない、邪悪な観念である。


具体的に言えば、欲望、恐怖、焦り、怒り、嫉妬、憎悪といった邪悪な感情である。


どんなに立派な思想や考え方、建前を述べても、最終的に自分の行動を決めるのは、こういった邪悪な観念なのではないか。


それが分かった上で、神様のような心でいられるか、やはり負けてしまうか、その一点で、人間性が決まるような気がするし、その些細に見えることが戦争と平和の分岐点であるように思えてならない。

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