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今日のグルーヴ〈355〉


8月12日は、巨匠ヴァイオリニストのジェラール・プーレ氏の79回目の誕生日である。数え年では傘寿。彼のファン、彼を慕う大勢の生徒さん、そして音楽仲間が彼の誕生日を祝った。


会はプーレ氏と生徒さん、音楽仲間によるコンサート形式で行なわれた。プーレ氏の十八番(おはこ)であるドビュッシーのヴァイオリン・ソナタも演奏された。この名曲は、プーレ氏の父であるヴァイオリニストのガストン・プーレに、ドビュッシーが助言を求めて作られた作品である。


当然ながらプーレ氏は、父ガストンからドビュッシー直伝の話を伝授されていて、プーレ氏の演奏は言わば本家本元であり、この作品は正にプーレ氏の家宝である。


プーレ氏とピアニストの川島余里さんによるドビュッシーのヴァイオリン・ソナタの演奏は、数え切れないくらい聴いた。いつも素晴らしいのは当然のことながら、今なお、進化し続けていることにいつも感銘を受ける。聴く度に、新しい発見、表現、表情を我々に与えてくれる。


ガストンとドビュッシーとの交流は、弦楽四重奏団を主宰していたガストンが、ドビュッシーの弦楽四重奏曲の演奏をドビュッシーの前で演奏して助言を求めたことが始まりである。


時空を越えて、一世紀後の、2017年の8月12日、今度はヴィルタス・クァルテット(1stVn三上亮、2ndVn戸原直、Vla馬渕昌子、Vc丸山泰雄)が、プーレ氏の前でドビュッシーの弦楽四重奏曲を演奏。ガストン弦楽四重奏団がドビュッシーの前で演奏したところを見たわけでもないのに、その光景を彷彿とさせた。


正に歴史的な一夜のコンサートと呼ぶに相応しい邂逅であった。

プーレ氏の精力的な演奏は、初めて聴いたときから一貫してまるで変わらない。

日本を愛するプーレ氏のますますの活躍が楽しみである。




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