今日のグルーヴ〈306〉
AI時代を本格的に迎えるという。そもそもAIとは何か。確認すると、“人工知能”であるという。
人間が知能を使ってすることをコンピュータ等にさせようとするものらしい。
しかし、そもそもコンピュータというのは、人間が知能を使ってすることを人間より遙かに速いスピードでやっているわけであるから、コンピュータの出現の頃からAI時代なのではないのか、と思うのが、AIは、それよりさらにずっと先に進んだものらしい。
例えば、将棋や囲碁のコンピュータ・ソフトは、すでに人間に勝つ時代である。これらのソフトは、単に計算するだけでなく、人間の考える読みに勝るとも劣らないのである。
かつて意識を持つようなロボットというのは夢物語だったが、もしかすると、本当に人間に近いロボットが生まれるのかもしれない。
人間の脳の働きが化学変化のようなものであれば、人間も、そもそもロボットなのではないか、と思ったりもする。マーク・トウェインの『人間とは何か』は、人間機械論である。読むほどに、反論できず、恐ろしくなる論であるが、あながち絵空事ではないように思える。
人間がロボットと違うのは、やはり魂があるところではないだろうか、と思いたいが、魂自体も分析し出すと、元素なのかもしれない。そうすると、あまり、考えたくはないが、人間はそもそもロボットである、ということになり、翻って考えれば、いつかはロボットも魂を持つものになるのかもしれない。
このAIも核と同じで、できるかできないか、ではなく、やるべきかやらないべきか、を考えないといけないのではないか。
昔、『猿の惑星』という映画のシリーズがあった。核で滅びた未来の地球へ迷い込んだ人間が、未来の人間が猿に支配されているのを目の当たりにする映画である。
冗談で無く未来には、人間は、核で滅び、猿ではないにしても、ロボットに支配されるのではないか。現実にありそうで恐ろしい。