今日のグルーヴ〈180〉
演奏者にとって、最も悩むことの一つに調子の波がある。また、ウォーミングアップをどのくらいするのかも迷うところである。
例えば、一日のうちで、時間帯によって調子の波があるとか、ウォーミングアップに時間をかけないといけないとかになると演奏家としてはつらいものがある。
朝昼晩が影響するのは、音楽的なイメージとかテンポ感程度になるべきである。演奏そのものの調子が左右されてはならない。
時間によって調子が出ないとか、ウォーミングアップに時間がかかる、ということは、つまり、いつ演奏してもすぐに本番体制になれるような奏法でないということだ。
ウォーミングアップに時間がかかるということは、結局は楽な奏法ではない、理にかなった奏法ではない、ということである。調子が上がったとしてもすぐに落ちたり、バテるのが早かったりするだろう。
アマチュアの演奏家が、余興で演奏する時に、飲みが足りないからもうちょっと待って、という場面がよくある。
アルコールの力を借りて演奏するのはプロでもあるし、そもそも良くないことだとは思わないが、時間をかけても心はリラックスはできない。リラックスした頃には演奏不能になっているのがオチである。
そこで、いつどこでもすぐ演奏できる奏法、できるだけ短時間に本番体制に持って行く奏法を身につけることが大切である。
その奏法は、結局は、初心者が身につけるべき奏法そのものでもある。その奏法の存在はあらゆる楽器に共通しているはずである。
人によって身体の状態は千差万別であるが、それでも、共通するものがあるはずである。(つづく)
今日もグルーヴィーな一日を。