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さて、無念無想になって、
潜在意識に任せるとしたら、
ふだん、表層意識(普段のこころ)は、
何をするのだろうか。
 
潜在意識
に任せておけば、大丈夫、
と吞気なことを言っていていいのだろうか。
 
潜在意識というのは、表層意識で見たり、
聴いたり、考えたり、感じたりしたことの
いわば貯蔵庫のようなものらしい。
 
そして、
表層意識の状態通りに
働きだすものらしいのである。
 
であるから、
もし、ごみだらけの潜在意識、
ネガティヴな潜在意識
だったとしたら、任せておいて
いい結果がでるはずもない。
 
では、潜在意識は、
どのようにすれば、いい要素で充満するのか、
それは、表層意識を常にいい状態にしておく、
ということなのである。
文字にすると、ごくごく当たり前のことである。
 
実際、普段の心は常にポジティヴに
しておくべきなのだろう。
ネガティヴな場合の結果は、
すでに我々はいやというほど経験している。
 
例えば、演奏中、少しでも、
弱気になったり、心配したり、あるいは、
ちょっとかっこいい演奏してやれ
(これもネガティヴの範疇)と
思った瞬間、必ずと言っていいほど、
失敗することは、いやというほど経験している。
 
ネガティヴになった瞬間、
潜在意識のネガティヴな部分が働きだし、
其の通りの結果を生み出す。見事なほど、
こころ通りの結果を生み出す。
 
であるから、常に表層意識(こころ)では、
自分でコントロールして、
ネガティヴにしない。
 
そして、表層意識の貯蔵庫である
潜在意識をポジディヴでいっぱいにするのである。
 
これは、実際、我々がやっていることだ。
例えば、自転車に乗る。
 
一旦乗れるようになった自転車を
表層意識では、もしかして、乗れなくなってしまった
のではないだろうか、と疑うようなことはしない。
 
絶対の自信、信念でもって乗るから、潜在意識は
其の通りの自信で、動き出してくれる。
 
このとき、我々は、表層意識で乗っていない。
潜在意識が勝手に、手足を動かして、
自転車を漕いでいるのである。
 
これが楽器に応用できないはずはない、
とわたしは思いたい。
 
事実、余計なことを考えないときが、
一番巧く行くことは、誰もが経験している。
 
人事を尽くして天命を待つ
この境地で演奏することを目下の私の目標である。
 
では、どうやって、こころをポジティヴにするのか。
誰が、表層意識と深層心理をコントロールするのか。
(続く)

第22回 もうひとりの自分に任せる(その5)

 

今週の青木節 

アッコルド編集長 青木 日出男​​​​

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もうひとりの自分に任せる(その4)

 

もうひとりの自分に任せる(その5)

 

もうひとりの自分に任せる(その6)

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