ハーピストSANAEのハープ革命

第23回 「異名同音2」

こんにちは。
エレクトリックハープのSANAEです。
もう夏ですね!
夏休みが待ち遠しい方もたくさんいらっしゃるでしょう~。
 
さて今回は、異名同音について。
実は過去、コラム第14回でも異名同音について触れているのですが、
このハープ独特の考え方はなかなか受け入れられにくいのか、
先日は、編曲家に対するクレームと勘違いされてしまうケースもあり、
ここで、あらためて書きます。
 
アレンジャーさんに対するクレーム等ではありません。
ピアノや多くの管弦楽器にはない考え方と奏法、
これが、ハープならではの異名同音なのです。
ここがハープの魅力でもあり、
難しいところでもあります。
 
この異名同音があるからこそ、
美しいグリッサンドの響きも生まれますが、
ピアノの考え方でおたまじゃくしを楽譜に書かれると、
パズルしなくてはなりません。
書いてある音を鳴らせばいいやっていう楽器ではないのです。
 
スタジオミュージシャンとして演奏するには
初見演奏が当たり前なのですが、
見たこともない、知らない曲をいきなりパズルするのは
やはりたいへんなエネルギーを使います。
 
本番前にいちどは曲を通すので、
その時点で弾いたり、聞き取ったりして、
その1回で音のパズルを完成させるのです。
これは技術と、頭を相当使うのですが、
 
この頭を使ったという表現が、
アレンジャーさんのアレンジが悪かったのかと、
先日、ミュージシャンでない方に
誤解を生んでしまったことがあり、クレームを頂きましたが、
これは全く違います。奏法なのです。
 
ピアノは、白鍵7つ、黒鍵5つ、
合計12の音がどのオクターヴでも並んでいます。
ヴァイオリンやチェロ、フルートやトランペットなどの
単音が基本の管弦楽器でも考え方は基本同じことですね、
 
しかしながらハープは、
グランドハープの場合、
1オクターヴ12音のうち、弦は7本のみ、
つまり、常に最大で12分の7の音しか表面に出すことができないので、
ラ♭、ラ♮、ラ♯が同時に出てきた場合はどうするかということです。
 
ラの弦は、どのオクターヴでも1つしかないんです。
ペダルは一斉に動きますから、
ラ♮があったら、
同時に同じラの弦で、オクターヴをずらそうとも、
ラ♭も、ラ♯も出すことが出来ません。
 
そこでどうするか、、
ハープ奏者は異名同音と考えます。
 
ラ♭はつまり、ソ♯と同じ音。
ラ♯はつまり、シ♭と同じ音ですから、
ソとシの弦のペダルをそれぞれその都度、変換すればいいわけです。
もちろん、また元に戻します。
 
しかし、1曲のあいだにこの作業が数十、数百と出てくるので
それはそれは大変です。
 
しかも、譜面を初見で弾くとしたらば、
コードが書いてなくて、おたまじゃくしの🎵のみの場合は
他の方が奏でている音を聴き取ってコードを起こすところから、、、
それはそれは、実は大変な労力です。
 
このように、頭を非常に使う楽器だからなのか、
なぜかハープ奏者はお医者様が多いのです。
お医者様を本業にしているか、
ハープを本業でお医者様免許を持ち、国際的に
いろんな言語を使って海外で生活する奏者、
 
消去法の考え方がありつつも、
違う可能性を見つけて行くというのも、
お医者様の考え方に沿うのかもしれません。
 
私は医師免許、持ってないですけどw
 
こういった、異名同音、
また前後のペダル操作のパズルを
瞬時に解いて、初見で
演奏に持っていく、
これが、
ハープのスタジオミュージシャンの仕事。
 
ですから、
譜面を書き換えた等というのは、
他の楽器と違って、間違っていたということではなく、
パズルを解いたという意味なのです。
 
レバーハープ(アイリッシュ、ケルティック)でも
レバー操作は類似した考え方があります。
ただし、
レバーハープのレバーは一斉に動かすことができず、
左手で手動になりますので、
もっと技術と知恵が必要になる場合があります。
 
ところで。
ウェブサイト作ってみました!
遊んでいてできちゃいました笑
良かったらみてくださいませ。
http://sanaharp.wix.com/sanae-harp

SANAE(ハープ奏者)

 

日本におけるエレクトリックハープの第一人者として、本邦初の立奏スタイルを採用し、これまでになかった斬新で革新的なハープサウンド、ステージ、新しい演奏テクニックをも生み出す新しい可能性を拓くハーピスト。

 

エレキハープ、エレアコ・ハープ、グランドハープ、レバーハープ、シングルアクションハープ等の様々な種類のハープを弾きこなす。

 

東京音楽大学出身、これまでにハープを篠崎史子、島崎節子、吉田みちこの各氏に師事。

 

最近では2012年ベトナムフェスティバル・メインステージへのソロ出演、2013年7月エレキハープでのライブアルバム「SANAE/SOUHAIT」をリリース。レコ発ライブツアーを東京ほか、全国で3公演開催。

 

現在、日本全国でソロ活動のほか、イベントやライブ、フェスティバル、メディア等への出演や、レコーディングなど、ポップス、ジャズ、ロック、エレクトロ、ダンスミュージックにソウル、映画音楽やクラシック、ミュージカル、民族音楽、ワークショップ講演など幅広く活動中。

 

2014年はFMやまと「大和でNANANA ハーピストSANAEのCome☆音!」番組パーソナリティ。

 

セカンドアルバムリリースの予定もされており、これまでになかったダイナミックで迫力ある斬新なハープの表現が注目を集めている。

© 2014 by アッコルド出版