この本、和訳されていないので読むのにかなり時間を要するのですが、すごい本です。
ハイフェッツが生前、最初で最後の「人生」のパートナーとして選んだのが、インドネシア出身のAyke Agusというひとでした。
彼らの歳の差は実に半世紀。もともとハイフェッツの門下に入りかけたのですが、彼女がピアノを弾く姿を見て、ハイフェッツが「君はクラスのピアニストとして居りたまえ」と、驚くような決断を下すのです。
やがてハイフェッツがコンサートを行うときにも共演し、彼女の本能的に寄り添う才能と見事なピアノの腕で、ハイフェッツが生涯を終えるまで支え続けた人だそうです。
彼女から紡ぎだされる言葉は、嘘のない温かさに満ちながらも多くの苦労が語られています。完璧主義だけにとどまらない、あの巨匠に寄り添い支えることはどんなに大変だったでしょう。読み進めるのが楽しみな一冊です。
いつか和訳が出ないかな・・・。
それでは、ここらへんで、皆さんどうぞ良い1週間を。
尾池のブルーマンデー憂さ晴らし
ヴァイオリニスト 尾池亜美
第56回人生のパートナーとは
こんにちは!憂さ晴らしのお時間です。
桜も散り、風景が青々としてきました。
昨日は新国立美術館で開催されていた「春陽展」にて演奏してきました。
展示で演奏。そうです、絵に囲まれて演奏するんです。
絵が大好きな身としては、こんなに楽しいことが在るだろうか?という感じでした。
「音と絵のコラボレーション」、シンプルなのですがなかなか得がたい経験でした。普通はホールの響きに影響は受けても、内装にインスパイアされることは殆ど無いです(もちろん、きれいなホールというのはそれだけで嬉しいものですが)。今回は、日本のたくさんの作家の大きな作品たちに囲まれ、バッハ、イザイの無伴奏、そしてルクレール、ハルヴォルセンの2台のヴァイオリンのための作品を弾いてきました。
ハルヴォルセンのパッサカリアという曲はもともとヴァイオリンとヴィオラのための曲ですが、ヴァイオリン版もimslp.orgで手に入り、少し手を入れればとても上手く行くものでした。
とりあえず4月の公演は全部終わり。改めて次の月へと踏み出します。
さて、もうひとつ今夢中になっている本があるのでご紹介します。