今日のグルーヴ〈482〉
日本には、いまだに孝行という古くさい儒教観を強要する風潮があるが、これは、個人的なものであって、人に強要されるものでない。
教育の場では声高に言われているが、教師によっては偽善になる。
昨今、ろくでもない親のニュースが頻繁に流れてくることもあって、なおさらその意を強くしているが、そもそも、このような個人的な思いを人に言われたくないのである。
この歳になって確信するのは、人は説得されないということである。表面上、説得されたふりをするだけである。
自分の根源的な思いというものは自分が変わらない限り変わらない。主観というものは、自分でしか変えられないのである。
子を持って知る親の有り難み、という言葉があるが、子を持って知るのは、子に対する呵責の念である。
健やかに育ってくれるだけで、それはおつりが有り余るくらいの孝行である。これ以上、いったい何を子に求めるというのか。