今日のグルーヴ〈474〉
楽曲では、全体の三分の二くらい進んだところがクライマックスという黄金分割の図式があるが、この図式は、人間の一生にも当て嵌まるように思えてならない。
信長の時代は、人生五十年と言われていたが、室町幕府を滅亡させた四十代前後が最も輝いていた頃のように思えるし、秀吉も、本能寺の変からの天下統一あたりの四十代の頃が、一番輝いていた頃なのではないか。
となれば、寿命がのびた現代では何歳くらいがピークなのだろうか。例えば,寿命が80歳だとしたならば、50代半ばから60代くらいがピークということになる。
しかし寿命がのびても、ピークもそれに伴ってずれるとも思えない。やはり、体力的にも精神的にも40歳前後が人生のピークなのではないか。
スポーツ選手の場合、ピークはもっと手前になるだろう。ちょうど冬季オリンピックの最中であるが、若い人達は、その若さゆえ正に輝いている。若さというのはそれだけで宝である。
昔は、歳をとればとるほど、体はともかく、心とか人間性は成長していくものだろうと、漠然と思っていたが、そうとは限らない。
特に男は、歳をとっていいことはほとんどないのではないか。むしろ、ピークを超してからは、人間性は衰え、老害などと言われかねない。
耳に入ってくる情報に関しても、一旦情報が刷り込まれると、上書きができなくなる。これは問題である。
そもそも、グルーヴ自体衰えるのではないか。かといって、グルーヴ感満載の年配者というのもどちらかというと痛い感じがする。
枯れていくグルーヴ、わびさびのグルーヴというものがあったら有り難い。