今日のグルーヴ〈473〉

一度に何度も聴く楽曲シリーズ。3

ブラームスの弦楽六重奏曲第1楽章。第2楽章ではない。iTunesを見ると、自分が聴いた楽曲の再生回数を知ることができるが、この曲が驚くほど多かった。


第2楽章が、昨年亡くなったジャンヌ・モロー主演のフランス映画「恋人たち」でメインのテーマで使われていることもあってか、人気がある。


この映画はテレビで初めて見た。小学生のころであるから、男と女のことはよく分からなかったが、ブラームスのメロディがずっしり重く、なんとなく大変なんだなぁ、とは思った。小学生でもジャンヌ・モローの美しさは分かる。


ブラームス自身、第2楽章をクララに贈ったこともあり、やはり、この楽章は、男と女の情念を描いているようにも思えるが、1974年にテレビドラマとして放映された「二十一歳の父」(島かおり、大和田獏主演)でも、この楽曲が使われていて、その時は男と女の情念というよりは、冒頭のメロディは世の不条理、どうにもならない運命というものを表現しているように思えてならなかった。


ちょうど大学浪人している年であり、昼間の時間帯のドラマであるにもかかわらず、運良くこの作品を見ることができたが、実は最終回までは見ることができなかった。あまりに可哀想で最後まで見るに忍びなかった。


映画やドラマの印象もあってか、私も第2楽章ばかりを聴いていた時期があったが、今は第1楽章である。この楽章は、聴けば聴くほど味が出てくるように思える。第2楽章のメロディほど露骨ではなく、しかし、それでいてあふれる思いというものが地味に心を打つのである。






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