今日のグルーヴ〈457〉

我々は、毎日必ず何かしら、これはと思うほどのアイディアやネタを思いついている。しかし、そのほとんどを忘れてしまっている。この損失は計り知れない。


アイディやネタは思いついた瞬間に書き留めないと、逃げて行ってしまう。これまで、何度逃がしたか分からない。仮に毎日一個、会心のアイディアやネタを思いついたとしたら、一年で365個。50年で18250個である。


逃げ方はもの凄く速い。何故こんなにすぐ忘れるのだろうか。その原因は、歳によるボケなのかと思ったが、それもあるが、そもそも若い頃からであるから、あまり関係ないように思える。


本当に価値あるネタだったら、忘れてもそのうちまた思い出すはずである、という考え方もあるが、それを証明する方法はない。価値があっても、思い出さないネタの方が多いに違いない。


とにかく、何か思いついたら、断片でもいいから書き留めておかなければならない。文章の組み立てなど考えていたら、すぐに思いついたことを忘れてしまう。


しかし、いざというときに書き留める手段がないことが多い。アイディアやネタの神様は、そういう時を狙っているのではないか、と思うほどである。


ゆえにネタを瞬時に書き留める方法をいろいろ考えた。


ネタを書き留めるのにパソコンはあまり向かない。そもそも常にノートパソコンを持ち歩いているとは限らない。


仮に持っていたとしても、パソコンを開けているときに、忘れてしまうこともあるし、パソコンを立ち上げても、様々な情報が勝手に飛び込んできたりするから、そちらに気をとられているうちに、ネタを忘れることもあるし、そもそもなんでパソコンを立ち上げたのかすら忘れてしまうこともある。


かほどに、我々は情報の氾濫に毒されているのである。


ただ、パソコンはアイディアやネタを膨らませていくのには最高の道具である。また、何も思い浮かばないときに、浮かばせてくれる最高のトリガーである。


下手な考え休むに似たり、というのは私には真理である。考えずに、とにかく指を動かすべきである。


何でも良いから、書くべきである。ネタがなくても書くべきである。そのうちに出てくる。


しかし、瞬間思いついたアイディアやネタを書き留めるにはあまり向かない。


かつて、この手のツールとしては、メモしかなかった。ところがこのメモが常に手元にあるとは限らないのが残念なところである。アイディアやネタはたいてい風呂やトイレ、あるいは歩いている時に浮かぶ。


そこで、様々な種類のメモ帳を試してみたことがある。


メモなのに原稿用紙のマス目があるもの。これは見た目が面白かったのですぐ買った。小さなマス目に文字を埋めていくのは思ったよりは難しくなかった。これは気にいっていたのだが、そのうち店から見かけなくなってしまった。


しかし、メモの最大の欠点は、すぐ紛失しまうところにある。本でさえ見失うのである。紙切れなど存在がないに等しい。


結論はスマホ、と思われるかもしれない。しかしそうではない、と言ってみたい。確かに、スマホのメモに書いておけば、Cloud化されて紛失することはない。録音するという方法もある。確かに最高のツールには違いない。


しかし、最高のメモ帳は、潜在意識である。ここには無限の容量のハードディスクがある。実は忘れていないのである。意図しなくても潜在意識にはすべて書き込まれている。何十年も前の話を我々は覚えているのである。嫌でも集中したものは覚えているのである。


歳をとってボケる部分もあるかもしれないが、それよりも過去に得たばらばらの知識や経験等が、織物のように編まれていくということもある。それは誰もが持っているディープラーニングそのものに違いない。



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