今日のグルーヴ〈452〉

年中、イベントだらけの世の中になったわりには、暮れから正月の季節感が妙に無くなった。


以前は、年末から大晦日にかけて、何故か慌ただしい雰囲気で、何もかもせわしなかったが、それが情緒を生み出していた。ところが、正月を迎えたとたん、さっきまでのうきうきした気分は何故か雲散霧消したものだ。


一年中イベントだらけの時代に、人々は疲れたのだろうか。海外でも特に正月休みのイベントがあるわけでもない。


私にとっては、おせち料理をかつてほど自分で作らなくなったことが大きいかもしれない。子供の頃、おせち料理の下準備をするのが私の役目だった。


おせちを作る理由のひとつとして、正月にはすべてのお店が休みになるから、というのがあった。


まず、きんとんを作るために、さつまいもを蒸し、すじを取るためにしゃもじを使って裏ごしするのである。裏ごしは、ものすごく疲れる作業だった。そのあげく私はきんとんは好きではなかったので食べたことはなかった。自分で食べるわけでもないのに、何故この作業を素直にやっていたのか今更ながら不思議である。


そして、大根とにんじんのお酢和えを作るために、大根やにんじんを突くのであるが、これも子供の頃は食べなかった。美味しさを知るようになったのは、後年のことである。


それから、餅を切るのも私の役目だった。昔は、米屋に、長方形の伸ばした餅を何枚か注文するのであるが、数日乾燥させたあと、包丁に手ぬぐいを当てて餅を手頃なサイズに切るのである。


餅はよく食べたものだが、だんだんと食べなくなり、カビが生えてきたりするので、今では既に切られている餅を必要なだけ買うようになった。


そして、こんにゃくを薄く長方形に切り、穴を開けて裏返しして、私の作業は終わる。


どの家でも、その家の主婦が母親から受け継いだオリジナルのおせち料理のレシピがあるものだが、今では、レシピが私の母親からかみさんのものに変化したこともあって、裏ごしなどの作業をすることもなくなった。尤も今更あのようなしんどい作業をやれと言われてもやる気にはなれない。


今では、正月から開いているスーパーは多いし、おせち料理に飽きるのも早くなったため、大量のおせちを作る必要もなくなった。


ゆえに年末から正月にかけての私の季節感は薄れる一方である。

ただし、箱根駅伝では、久々に母校が優勝しそうなので、今からうきうきしている。

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