top of page

今日のグルーヴ〈447〉

人寄せパンダという言葉で代表されるように、すべて経済は、人を引き寄せる魅力のある商品でなければ成り立たない。


話題を作り、イベントを増やし続けなければならない。クリスマス、正月、節分、バレンタイン、端午の節句、ゴールデンウィーク、こどもの日、ジュンブライド、七夕、盆踊り、夏祭り、秋祭り、近年もたらされたハロウィン、ボジョレーヌーボー解禁、…


一年というのは日常の積み重ねではなく、行事イベントで成り立っている、としか思えないくらいである。


とにかく、人々をうきうきさせるものであれば何でも良いのである。人間は情緒の生き物であり、情緒という生ものが経済を発展させ、株を上げるのである。


今また、パンダの事が騒がれている状況は、私の高校生の頃、初めて日本にパンダが来たときと何も変わっていない。政治やマスコミに踊らされている状況は過去から未来永劫変わらないのかもしれない。


尤も、いいように踊らされなければ、経済は成り立たないということが分かっていて、人々は騙されたふりをしているとしたら、人間の本質を根底から考え直さなければならない。


ところで、もしパンダでなくて、ハイエナだったら、人々はこれほど夢中になるだろうか。パンダが可愛くてハイエナを忌み嫌うのは、あまりにも人間の身勝手な主観であり、無責任な情緒ではないだろうか。


かといって、パンダの本質は?とかハイエナの本質は?と問われても私には分からない。


そもそも、本質という言葉は、大変難しい言葉である、と作曲家でヴァイオリニストの玉木宏樹先生が言われていた。


本質とは、そのものとして欠くことができない根本の性質とか要素、と言われているが、この説明も「本質」という言葉の本質を言い得ているとは思えない。


ただ、なんとなく思うのは、物事の本質より、どちらかというと様々な側面を大事にするところに、人間の本質があるのではないだろうか。物事の様々な側面と情緒でしか、人間は心を動かさないのである。正面切って本質と対峙することなど、面倒でしかないのである。


しかし、霊長類の頂上に立つ人間としては、これは勿体ないことかもしれない。






おすすめの投稿

最近の投稿

アーカイブ
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
タグ検索

© 2014 by アッコルド出版

bottom of page