今日のグルーヴ〈437〉

嫌いだと思っていることも、ちょっと先入観を押さえたり、ニュートラルに自己を持っていけば、実は、それは大きな誤解であったことに気づくことがある。


例えば、今では我ながら信じられないことだが、トランペットは、子供の頃、どちらかというと嫌いな楽器だったのである。ところが偶然が重なり、トランペットを吹くようになったら、時間はかかったが、この楽器を心から愛するようになった。


また、今ではコンピュータなしでは生きていけないくらいであるが、かつてコンピュータに対してはキーボード・アレルギーがあった。しかし、先入観を捨て去り、良い先達者に恵まれれば、アレルギーは消え、親しみになる。


嫌いなもの、というのは、たいてい先入観でもたらされるものである。そこをちょっとだけ我慢すれば、意外と新しい世界が開けるように思う。このちょっとした我慢がなかなかできないのである。私はビールがなかなか我慢できない。


楽器に上達するかしないか、それは、ちょっとした面倒な作業をすることが我慢できるか、できないかにかかっているように思えてならない。


その後、私のようなキーボード・アレルギーの方に、たくさん会った。たいてい男である。私は、私のような者でも、タイピングが楽しくなることを体験して知ったので、この喜びを伝えたいと思い、優しく丁寧に説明するのであるが、たいてい怒ったような顔をされるのである。


世の中の男は、私とは比べものにならないくらい常識や教養や知識や分別があるのに、何故だろうといつも思っていた。私の人間性が問題なのか?


しかし、女性はそもそもキーボード・アレルギーはほとんどないし、また速く打つことに意欲的である。たいてい難なくこなしていく。私は家内と娘にも説明したことがあるが、ふだんではあり得ないような素直さで私の話を聞き、実践してくれるのである。


女性は本能的に、役立つことと役立たないこととを判別するし、またその能力にも長けているのではないか。

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