今日のグルーヴ〈427〉
大相撲で、幼少の頃(昭和30年代)、最初に記憶にあるのは、栃錦や初代若乃花である。銭湯にあるテレビで見たものだ。ただ、栃若の引退直前で、あまり強いところは見たことがなかった。
当時は、夕方になると、会社のテレビや近所のテレビを見に近所から老若男女が集まってきた。
ゆえに、相撲も皆で見ていた。大鵬、柏戸が横綱になった頃、大相撲の人気はひとつのピークを迎えたのではないだろうか。
当時は白黒テレビだったが、白黒ならではの迫力があった。カラーテレビで初めて見たとき、黒色だけだと思っていた廻しのカラフルさに驚いたものだった。
大学生以降は、クラブ活動や仕事で、生放送で見ることはなかなかできなくなったが、それでも大相撲ダイジェストはたいてい見ていた。
横綱はやはり絶対的な強さがあってこそであるが、そのほかに横綱としての風格や人間性がを求められる。
元々は大関が最高位で、その中から成績人格とも抜群の人に横綱という名誉が与えられたのである。
若貴が引退以降、モンゴル人隆盛の時代である。特に朝青龍は、いつの間に横綱になったのだろう、と思うくらいのスピードで駆け上っていった。
朝青龍は強かった。あの気の強さは凄かった。いろいろ言われたが、朝青龍は周りの声を超越する強さがあった。私はそれが好きだった。
白鵬は、絶対的な強さを誇った大鵬の記録を大幅に更新した。
しかるに、それ以降、横綱らしい横綱が誕生しているのだろうか。なんとなく納得感がない。