今日のグルーヴ〈422〉
脂肪には、大切な役目がある、ということが最近発見されたとのNHKの番組を見て、我が意を得たりという思いだった。
前々から、悪玉の権化みたいな言われ方をして、脂肪は実に肩身の狭い思いをしていた。
BMIの適正な数値なども言われているが、しかし、実は小太りくらいの方が、寿命が長いという説があることは知っていた。
ただ、そう言われても、説得力がなかった。しかし、脂肪の役目というものを具体的に示されたとき、今年最大のカルチャーショックであった。
よく体脂肪率が一桁のパーセンテージだったりすると、羨望の眼差しであるが、適正な体脂肪率でないと、風邪をひきやすくなったり、体が弱くなったりするのだという。また体脂肪率がゼロという脂肪萎縮症になると、食欲の制限が効かなくなるらしい。
実は、脂肪は、レプチンというメッセージ物質を出して、脳に命令を出し、食欲を抑制するのだそうだ。
人間の体はすべて脳から発信されてコントロールされるものだと思っていたが、脳も体からの発信を受けて、コントロールされるのである。
前々から、心は、体の動きによってコントロールされることは知っていたが、脳も体から、つまり脂肪からのメッセージによって、コントロールされるのである。
脂肪には、メッセージがあるのである。
ここに脂肪が受けた長年に亘る一方的な迫害に、警鐘を鳴らされたことに溜飲の下がる思いである。