今日のグルーヴ〈420〉
惜しいところで日本シリーズは敗退したが、横浜DeNAベイスターズの試合は、スカッとした試合が多く、勝ったらもちろんだが、負けてもフラストレーションが残らない。
ピッチャーの投げっぷりもいいし、バッターの打ちっぷりもいい。まさにグルーヴ投手陣であり、グルーヴ打線である。
実は、横浜DeNAベイスターズの試合の中継がこんなにあるとは知らなかった。また、ソフトバンクの試合の中継もこんなにたくさんあるとは知らなかった。
何気なく、テレビを付けたら、横浜DeNAベイスターズの中継があったり、ソフトバンクの中継があったりした。
ゆえに、選手の顔と名前に親しみを持つことができた。
いみじくも今年の日本シリーズは、その両チームの対戦となった。
なんら根拠はないが、やはり露出の多いチームは、それなりにファンもつき、チームも強くなっていくのではないか。
かつて大阪で育ったことから、南海ファンだったため、必然的にアンチ巨人であった。
当時、小学生の男の子は全員、野球帽を被って登下校するのが常識だった。
私も南海の野球帽を被っていたのだが、横浜に来たら、巨人の野球帽以外ほとんど売っていないという状況だった。それでも、根性で南海の帽子を探して、クラス全員を敵にしていたのである。
その後、中学、高校、大学、職場と、巨人ファンばかりの環境に抵抗し続けてきた。
それにしても、これほど巨人、巨人、と鼓舞されれば、誰もが巨人ファンになっていくのは無理ないだろう。
しかし、いつも疑問に思っていた。巨人だけで野球が成り立つわけではないだろうに。巨人一強というのは、絶対におかしいと思っていた。
その後、五強一弱の時代があり(一弱とは巨人のこと)、紆余曲折あったが、野球のファンは、かつてに比べれば、今では各チームにほぼ均等にいる。その意味で健康的な状態になったのではないか。
しかし、巨人が弱いのでは、アンチ巨人甲斐がない。かつて、伝統の巨人阪神戦で、王、長嶋に奮闘したピッチャーの村山も、巨人は強くなくてはならない、と言っていたくらいである。
V9時代の巨人は、確かに強かった。その強さに対して阪神は、死にものぐるいで戦っていた。村山がいて江夏がいた。どういうわけか、村山はいつも打線の援護がなく、仕方なく、ピッチャーであるにもかかわらず、自ら三塁打を打ったりして、しかし、それでも打線は村山を本塁に帰すことができなかった、という為体であった。
いつもいいところまではいくけど、最後やられてしまう、というパターンが余計に阪神ファンを燃え上がらせていたのである。
とにかく、アンチ巨人にとっても、巨人は強くなくてはいけないのである。
巨人もかつての圧倒的な強さを取り戻すためには、地上波の中継を復活させて、選手の顔を覚えてもらい、スターを作っていくべきなのではないか、と思えてならない。