今日のグルーヴ〈392〉
ゴミの捨て方のガイドの冊子を改めて見た。すると驚いたことに、トランペットという単語が目に入ってきた。
しかも粗大ゴミ扱いされているのである。
近年ゴミの捨て方が大変ややこしくなっている。分かりにくいゴミの捨て方ガイドでは、分別の仕方、曜日がなかなか把握できない。しかも、たまにそれらが変更されてしまうから、ますます混乱する。
それはともかく、いったいトランペットを粗大ゴミとして捨てる人間がいるのだろうか。気になってトロンボーン、ホルン、クラリネット、フルートがないかどうかを調べてみたがなかった。
なぜトランペットが粗大ゴミの中に、楽器を代表して、掲載されているのか?
まさかとは思ったが、バイオリンがあるかどうかを調べてみた。
驚愕である。
この世の中で、バイオリンを捨てる人が一体いるのであろうか?
もし、そういう人間がいるのであれば、ホルンやクラリネットやフルートを捨てる人間もいるはずである。
まさかとは思ったが、ピアノという文字もあった。
このゴミ分別のガイドを作った人たちは、楽器はトランペットとバイオリンとピアノしかないと思っているのではないか。
しかも、楽器を捨てるという行為を何の躊躇もなく受け入れているのだろうか。
前回の1964年の東京オリンピックでは、直前に町中のゴミ置き場が整頓された。古めかしい木材でできたゴミ箱は、海外からのお客様にとって見苦しいからということで、町中から撤去されたのである。
海外の人が、ゴミ分別ガイドにバイオリンの文字を発見したら、日本の文化民度、音楽民度をいったいどのように判断するのだろうか。
ゴミをまき散らすような捨て方をする人間も大問題である。そのような人間はゴミ屋敷の人間を笑うことはできない。
1964年から半世紀以上も経って、ゴミの量は爆発的に増えた。ゴミ問題は消えるところか、拡大していることに暗澹たる思いである。