今日のグルーヴ〈382〉
完璧な法というものはそもそも存在しないし、歴史を重ねる上で、実情にそぐわないから、その都度変えざるを得ない部分もある。
その伝でいくと、憲法も変えるべき、という考え方もあるのだろうが、しかし、憲法は理想である。理想は継続しなければならない。
現実が合わないからといって憲法を簡単に変えると、どこまでも理想は低くなる。
憲法の前に自然権というものがある。これは人類共通の権利で、例えば人権がある。これは何の議論も必要なく、人類の当然の権利であるはずだ。
憲法を変えるまでもなく、自然権によって、国家は守られるべきである。
であるならば、憲法第九条と自衛隊とは何ら矛盾しない。もっと言えば、憲法第九条は、自然権を明文化したものなのではないだろうか。
であるならば、第九条憲法を変えることは自然権を否定することになりかねない。
憲法論議をするよりも、憲法以外の法の矛盾を質すべきなのではないか。
法は重要で判断の拠り所として大切なものだが、冒頭に書いたように、法だけで全てが判断ができないややこしいことは、あらゆる世界で存在している。
その時に、もう一つの拠り所というのは、おそらく自然権、あるいは良心というところに戻るのではないだろうか。