今日のグルーヴ〈381〉
教育というのは恐ろしい。特に幼少の子供達にとっては、すべてが新しい世界であるから洗脳に近い。
作られたような表情を作り、役作りをされたように言葉をしゃべり、作られた笑顔を誇示し、子供に戦争の絵を描かせ、相手国を罵らせる。子供だけではない。24時間、本音を隠し自分を偽って生きることほどつらいことはないのではないか。自分で自分を騙さないと生きていけないだろう。
私が小学校高学年の頃、やたらに厳しい先生が担任になったが、後年、クラス会が行なわれるまで、その先生は、絶対に極右の人だと思っていた。ところが、クラス会で話される政治談義で、極左だったことが分かった。
小学生に、自らのイデオロギーを強要せず、ひたすら厳しく育てようとされた先生を改めて尊敬したものだ。
戦前の軍国教育の反動から、戦後の教育は対象的なものとなり、自虐史観的な教育が優勢だったが、現代は、少し揺り戻しがあるように思える。
日本にも問題はあるが、すくなくとも、立ち止まって、考える、選ぶ自由はある。
メディアに関して、昨今の緊迫した情勢の中で、ゴシップなど報道している場合なのか、と思ったりもしたが、そこが日本の懐の深いところなのかもしれない。
北海道開拓の村に移設された旧小樽新聞社に様々な資料が展示されているが、明治時代の小樽新聞を読むと、すでに当時から、隣近所で起きたたわいのないゴシップ記事もあるのだ。
一部偏向報道が指摘されている日本のメディアではあるが、清濁混交、自由であらゆるものを載せる限り、まだましであるかもしれない。
ただ、メディアが出す情報はフィルターがかかったものである以上、我々は鵜呑みにせず、ネット等を活用して、いよいよ自分で全てを判断しなければならない時代になったのかもしれない。