今日のグルーヴ〈349〉
ラジカセの歴史の展示会が行なわれている(http://dairadicasseten.haction.co.jp/#section-1)。
ラジカセ、久しぶりに聞く言葉だ。
初めてラジカセを持ったのは、ラジカセの初期も初期、高校生の頃であるが、ご多分に漏れずエアチェックをしまくったものだ。
FM放送の音の美しさに惹かれて、FM雑誌を買って、赤ペンでチェックをして、カセットテープに録音をしまくった。当時の若者は誰もがやっていた。
当時でもLPレコードは2000円前後で、とても高校生には買えなかった。ゆえにFM放送の音楽番組は、非常に貴重な音楽の情報源だった。
その結果、カセットテープは山のように溜まったが、今や殆ど聴いていない。捨てた人も多いのではないか。
SPレコードもLPレコードも廃れ、今や若者の間ではCDも廃れている現状を鑑みるに、音楽メディア(記録媒体)は変遷してしまうので、せっかく集めても徒労に終わるのではないか。
こういったものを集めること自体、経済的、時間的、空間的に大変な負担である。
また欲しいものを見つける事自体、意外と大変で、実用的ではなかったと今では思う。
コレクションしても、それをあの世に持って行けるわけではない。残されても、特殊で貴重なもの以外、迷惑なだけかもしれない。
しかし、クラウドで音楽を聴いている今、理想の境地に到達した感がある。
聴きたい音楽をいつどこにいても、ただちに聴くことができる。
特に移動しているときに、その時間を有効活用できる。鑑賞するための場所や時間を設定する必要がそもそもない。
これはもしかすると、音楽メディアの一つの終着点なのではないか。