今日のグルーヴ〈347〉
先日、ヒップホップ系が多少混じったジャズ・ダンスを踊っている娘のダンスのライヴに行った。
ロック系のライヴもそうであるが、この系統の音楽の音量の大きさ、PAにはいつも圧倒される。
アンプから出てくる音は、音楽というより、バイオレンスなのではないか。
自分も歳をとったのかな、とも思ったが、それだけではないように思えてならない。
勿論、ある程度の音量がなければまるでさまにならないが、だんだんエスカレートして、殆ど人間の許容範囲を超えている。
しかし、人間の耳は、順応する、というか防衛しようとする。だから、いくら音量を大きくしても、無駄なのではないか。
ダイナミクスは相対的なもので、絶対的なものであると考えても、あまり意味がないのではないか。
しかし考えてみれば、それはクラシック音楽も同様であった。ある有名なオケでは、ティンパニの前に座っている人は、耳栓をしていたという話を聞いたことがあるが、そもそもそんなことをすること自体、音楽的、芸術的な行為と言えるのだろうか。会場の大きさの問題もあるかもしれない。そもそもクラシックの大ホールは大き過ぎる。
一方で、ライヴ会場は、それほど大きくない会場でも、音量は、根拠は無いが、東京ドームで流す音量なのではないか、と思いたくなるくらいである。
音量もグルーヴの源ではあると思うが、過ぎたるは及ばざるがごとしは、ここでも言えるのではないか。