今日のグルーヴ〈331〉
グルーヴを生み出すものにはいろいろなものがある、というのが私の考え方であるが、そのうちの一つにメロディそのものがある。
またハーモニー、リズム、つまり、音楽の三要素そのものがそもそもグルーヴを生み出すものであり、忘れがちなものにテンポがある、ということを改めて思う。
さらに、音楽的なテクニックであるヴィブラート、跳躍、アーティキュレーション、テンポ・ルバート…つまり、音楽に関係するあらゆる要素は、究極的にはグルーヴという目的のために存在しているのだと改めて思う。
そういうことを考えると、あらゆる音楽は究極的にはグルーヴが目的であることを確信する。グルーヴはノリ、躍動感とか高揚感などと定義づけらるが、もっと簡単に言えば、心を揺さぶるものである。
何の為に音楽をするのか、それは自他の心を揺さぶるためであろう。BGMからも気がつかないうちに心を揺さぶられているのである。
ゆえに、心を揺さぶられないとしたら、その演奏なり楽曲は、音楽ではない、と言いたい。好みでないジャンルの音楽であっても、必ず心を揺さぶるものがあるはずである。そうでなければ、多くの人から支持されないだろう。
グルーヴなしで感動する音楽の要素は、一つだけある。すなわち純正律の和音である。純正律の和音は、それだけで完結しているので、音楽は動いていかない。ただひたすら、純正律のハーモニーを味わうのみである。