今日のグルーヴ〈318〉
三権分立は、権力の集中を防ぎ、国民の権利、自由を守る為に、先人が苦心して考えたしくみである。
しかし、現在の三権分立が、うまく機能しているとは思えない。
選挙で多数を占めた政党が、国会(立法)で内閣を作り(行政)、内閣が最高裁判事(司法)を決めるしくみでは、意図しなくても独裁に近いのではないか。
国会も多数党の意のままであれば、何のためにあるのか。また頻繁な閣僚の入れ替えを見るに、大臣は何の為に存在しているのか。
昔、“仕事師内閣”が生まれてニュースになったことがあったが、そもそも仕事師でない内閣というのが存在していいのか。
かつて、派閥が批判された時代があったが、政党内で牽制し合う点では、派閥は有効であったように思う。
かろうじて、今のところ、選挙とネット社会やメディア、そして世論によってバランスを保っているようだが、三権分立が、今の仕組み、つまり、国会→内閣→司法という流れでは、勘違いする政党人が出てくるのは当然かもしれない。
本当に三権分立が機能して、それぞれが対等な立場にするのであれば、国会、内閣、司法、それぞれ選挙をすべきなのではないのか。
今だから、まだ、国民が抑止力になりうるが、共謀罪、改憲への流れは、その抑止力さえ潰してしまいかねないのではないか。
しかし、現在の国は、現在の国民の民度を反映しているものとも言える。ここは国民が本気で、考えるべき時なのではないか。
その意味で、先の選挙は、日本人の絶妙さが反映されたものかもしれない。