今日のグルーヴ〈303〉
陽動作戦、どさくさに紛れて、事の本質を見失うということはよくある。その事に気づくのは事がすべて終わった後である。
後から気づいても遅い。歴史になってはじめて事の本質がある程度分かるというのは歴史が教えてくれる。
例えば、小選挙区制がもたらしたものは、与党と野党とのドラスティックな交代であるが、ドラスティックな変化は、混乱をもたらすし、議席の数自体は、国民の意見と比例しているようには思えない。
51パーセントと49パーセントの投票で、51パーセントの票だけが生かされて、49パーセントの票が生かされないのは、やはり釈然としない。
49パーセントの国民は、選挙が終わった瞬間に無力感を感じ、しらけるだけである。
また、デリケートで微妙な問題の採決のときに、議席の微妙なせめぎ合いは、暴走の抑止力になるだろう。
数がものを言うだけの国会では、国会の危機、民主主義の危機である。