今日のグルーヴ〈270〉
厚生労働省は、日本の受動喫煙対策は世界最低レベルと自ら発表している。にも関わらず、厚生労働省は、自民党の愛煙家議員の『規制に対する反発』に歩み寄りをみせている、という報道がなされている。
かたや受動喫煙被害者の会が発足したそうだ。
マンションやアパートのベランダでの喫煙は、隣接する部屋の住民に受動喫煙による健康被害をもたらしているということである。
仮にベランダの喫煙をする人が減っても、かわりに換気扇喫煙が増えているらしいから、結局は、煙は外へ出て近隣に流れてしまうから、意味がない。
歩き煙草で、外で吸っても、道で吸っても、副流煙は、たった一本でもかなり拡散する。一説によれば、半径7メートル以内は、副流煙から逃れられないらしい。喫煙家の想像以上に拡散しているのである。
喫煙者は、何故、個人の嗜好品に関してこれほど言われなくてはいけないのか、迫害を受けなければならないのか、と思っているのではないだろうか。
人間は生きている限り、互いになんらかの迷惑をかけているから、互いに譲歩したり我慢したりすることはいろいろあると思う。しかし煙草はその範疇を超えているように思えてならない。煙草を吸わない人にとって、副流煙が、どれほど不快で健康を害するものであるかを、喫煙者はおそらく正確に理解していないのではないか。
煙草のポイ捨ても一向になくならない。危険であるし、外は汚れる一方である。
しかし、所詮、嫌煙家と喫煙家が話し合っても無駄であろう。世界中どこでも最後は喧嘩になる。私は喧嘩にならない話し合いを見たことがない。話し合ってこれだけ実りのないケースも珍しい。この問題は話し合っても無駄なのである。
だから、法律によって解決するしかないのであるが、議員が規制に反発してどうする。国民の健康を守る厚生労働省が喫煙家に譲歩してどうする。大変残念ながらしっかりした受動喫煙対策の法案の成立は期待できないらしい。
喫煙家が喫煙する権利を奪うことは勿論できない。しかし、喫煙家は、副流煙が出ない部屋を設置して喫煙するべきではないのか。