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今日のグルーヴ〈265〉

クラシックのコンサートのプログラミングが現代のようにパターン化したのはいつからだろうか。


基本的なプログラミングは、序曲や前奏曲等の比較的短めの曲で始まり、次にコンチェルト、そしてメインにシンフォニーやそれに匹敵するくらいの重めの曲、そしてアンコールという場合が多い。


勿論、そのパターンばかりではなく、様々なプログラミングがなされるようになってきてはいるが、基本は、前述の形である。


しかし、ペートーヴェン時代のプログラミングを、かつてSPレコード収集家として活躍されたクリストファ・N・野澤先生に見せてもらったことがあるが、現代よりはるかにヴァラエティに富んでいるものだった。


コンチェルトだけでなくアリアもあったり、即興演奏もあったり、しかも、シンフォニーも全曲ではなかったりする。


クラシック・コンサートのプログラミングは頭を悩ませる問題かもしれないが、伝統やしきたりから解放されて、自由に組んでみることができたら、プログラミングははるかに興味深くなるのではないだろうか。


人類の財産とも言うべきクラシック音楽は、ありとあらゆる楽曲の宝庫である。その宝庫を使ってあらゆる可能性を巡らせてみるのも楽しいだろう。


具体的に思うのは、例えば、交響曲である。交響曲は、だいたい4つの楽章からできている。勿論、例外もたくさんあるが、いずれにしても、独立した楽曲の集まりである。


つまり、一つの交響曲を全部演奏するのではなく、楽章を独立させることもあっていいのではないか、と思うのである。あるいは、別々の曲の楽章を組み合わせる。


何故、このようなことを思ったかというと、Apple Music(アップルミュージック)を聴いていて、そのシャッフル機能やプレイリスト機能を偶然経験したときに、その心地よさに感動したからだ。プレイリストの機能で、誰もが、オリジナルのコンサート・プログラミングを作ることができるのである。


楽章全部で完成された楽曲である、という考え方も勿論大切だが、楽章を独立させて思うがままに聴くという自由もあって良いと思う。


作曲家が思いもつかなかった楽曲の組み合わせが、新たな音楽観を作っていくように思えてならない。


今日もグルーヴィーな一日を!




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