今日のグルーヴ〈240〉
歌も楽器も、音域が拡がると誰もが嬉しいが、誰でも拡がるわけではない。何故なら、奏法を知らないからである。しかし、楽器の達人には、それができる。何故なら企業秘密があるからだ。
達人は誰でも、ある程度のところまでは教える。しかし、肝心要のところまでは教えない。完璧な自信のある人は、教えてもなんら揺るがない、という場合もあり得るが。
先日来、出し惜しみするかのように、持って回った書き方で、奏法について書いているが、実は、肝心の奏法というのは、説明すると、数行で終わってしまうほど単純なものである。
しかし、ネットや教本等を見ると、なんだか長たらしい説明がほとんどで、しかも、奏法というより精神論であったりする。
いい音を出すにはどうしたら良いのか。それにはいい音を出せばよい、といった似而非哲学を展開しても始まらない。
奏法はとても単純である。基本中の基本を体得したら、あとはいくらでも伸びる。それはどの楽器でもそうである、と言ってみたい。
さて、企業秘密と書いたが、実は企業秘密でもなんでもない。当たり前のことなのであるが、その当たり前のことに気づいていないがために、苦しんでいる人が多いのである。
書いてしまうと、あまりに当たり前なので陳腐なのである。
今日もグルーヴィーな一日を!