今日のグルーヴ〈202〉
こういうことを書くと、我ながら歳をとったなぁ、とつくづく思うが、それでも書いておこう。
スーパーやコンビニのレジ係の方の日本語である。
例えば、ちょうどの金額を出したとき、
「ちょうどお預かりします」と、100人が100人とも言う。
これは「ちょうど戴きます」とか「ちょうど頂戴します」と言うべきだろう。
お預かりします、と言うときは、おつりがあるときである。
例えば、800円の買い物をしたとき、小銭がなくて1000円札を出したときに「1000円お預かりします」そして「200円のおつりです」となるわけである。
なのに、こういうときに「1000円頂戴します」と、100人が100人とも言うのである。
これが気になって仕方がない。レジを通過するたびに、この人はどのように言うのだろうか、と無駄な緊張とストレスを覚える。
日本語の意味を考えないで、ただただマニュアル通りにやろうとしても、意味が分かっていないから、あべこべになってしまうのである。マニュアル至上主義の弊害がここにある。外国の方ならば、仕方ないと思うが。
でもアップル・ストアの綺麗なスタッフの外国人の女性は正確な日本語を使おうとしている。低姿勢で「少々、お待ちくださいませ」には、驚きとともに、生まれて初めて感じる違和感のようなものがあるが、日本の文化そのものである日本語を正しく使おうとする、その姿勢に感銘を覚える。
私は若い頃は、言葉は変化するもの、成長するもの、と言って、文法等にこだわることはない、と言ってきた。その気持ちに変わりはない。上記の件を除いては。
ところで、毎週木曜日、19時からTBSテレビのプレバトには、芸能人が作る俳句を俳人の夏井いつきさんが、添削する人気コーナーがあるが、日本語の美しさ、奥深さを改めて知ることができる。