今日のグルーヴ〈192〉
ヴァイオリン奏者やヴィオラ奏者は顎関節症になりやすい。顎で楽器を挟んで弾くために、噛み締め、その結果、顎のずれが生じ、それが不自然な姿勢につながり、頭痛や首の懲り、肩こり、腰の痛み吐き気など、不定愁訴と言われる症状にまで進行しかねないのである。
歯の問題は身体全体へ影響を及ぼす。噛み締めの問題から顎関節症、そして不定愁訴へとつながり、楽器を弾くうえで支障が出るだけでなく、健康そのものにまで影響を与えるので、決して安易に考えてはいけない。
実際、ヴァイオリン奏者やヴィオラ奏者で身体の不調に悩む人は多い。というか潜在的にはほとんどの人が何かしらの問題を持っているのではないだろうか。
小川学先生は、25年以上も前からその警鐘を鳴らし続けている。小川先生ご自身、ヴィオラ奏者であるので、ご自身の体験に裏付けられた予防、治療が展開されているのである。
管楽器奏者のための治療は根本俊男先生が展開されていたが、弦楽器奏者のための治療を展開されている小川先生との出会いで、管楽器奏者と弦楽器奏者、つまりほぼあらゆる楽器奏者にとって歯の問題は必須の問題であることを気づかされたのである。
小川先生と根本先生との出会いから、小川先生は管楽器奏者のための治療も開始されたのである。
歯の治療は大切であるが、無闇に直すのは気を付けなければならない。私は、多くの楽器奏者を観てきた経験から、楽器を習う上で先生との出会いは運不運であると結論づけている。
それと同じで、楽器奏者の為の治療は、理論と経験と技術に裏付けられた歯科医に受けなければならない。
私は、小川先生の治療によってハイ・トーンが瞬間的に飛躍的に出るようになった。
今日もグルーヴィーな一日を。