今日のグルーヴ〈191〉

小川先生の治療との出会いは、カルチャーショック以上の衝撃であった。もし、治療を受けていなかったら、私はとっくの昔にトランペットを吹くことをやめていたかもしれない。

小川 学先生にお会いする以前に、私は「すべての管楽器奏者へ―ある歯科医の提言」で、管楽器奏者の歯の重要性を説かれた歯科医の根本俊男先生にお会いしていて、治療も受けたことがあった。

余談だが、根本先生のクリニックは横須賀と遠く、私は取材と称して治療に行ったものだった。

その根本先生のクリニックへ小川先生をお連れしたこともある。根本先生と小川先生とは、お互いの理念に共感を持たれ話は大いに盛り上がった。

その後、私は取材と連載原稿の打ち合わせの傍ら、小川先生から、歯の治療とトランペットのための歯の治療を受け続けてきたのであるが、そのおかげで私のトランペットは劇的に変化したのである。

小川先生には、息子もお世話になった。息子が中学生の頃、いじめに遭って、前歯を痛めたことがあったが、小川先生の治療のおかげで、息子は無事ホルンを吹き続けている。

歯の状態は、プロの管楽器奏者にとっては死活問題であるし、アマチュアにとっては人生の生きがいの問題につながる。

管楽器奏者、特に金管奏者、とりわけトランペット奏者やホルン奏者にとってはアンブシュア(金管楽器を吹くための口の形)が最も大切な要素のひとつであることは、その奏者でなくとも想像できると思う。

何せ、アンブシュアは、木管楽器で言えば、リードのようなものであるし、弦楽器で言えば、弦と弓との接点、そしてボーイングのようなものである。

ppであってもffであっても、楽器が鳴っていること、これが最も楽器自体が喜ぶ状態である。その鳴っている状態は実感できる。実感している手応えを感じる。

楽器を鳴らすことができたことに例外なく感動を覚える。その瞬間、今までの演奏はなんだったのか?と疑問を抱くこと必至である。

そこを体感したとき、楽器を操作する基本を得たことになる。そこから、どう表現することも自由自在である。

小川先生の治療は、単に楽器を吹きやすくするための補助にとどまらない。私にとっては最も正しく楽でナチュラルな奏法へと自然に導かれる治療なのである。

小川先生の治療は弦楽器奏者にこそ、その真価が発揮されると確信している。明日は、弦楽器奏者のための治療の話を展開したい。

(つづく)

(参照:http://www001.upp.so-net.ne.jp/ogawashika/greeting.html

今日もグルーヴィーな一日を。

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