今日のグルーヴ〈181〉
楽な奏法というのは、身につけるのも短時間である。短時間というより、一瞬にして身につくようでなければならない。
数学でも、基本や定義そのものがしっかりしていれば、先へ進むのは容易い。というか、もし、あやふやなままで先へ行ってももがき苦しむだけであろう。
使い古された言葉ではあるが、基礎、基本が一番大切というのは、未来永劫真理である。
であるから、メソードを先に進めても、いつまで経っても演奏できないところは演奏できないままである。
基礎を確実に身につけたならば、世の中にある大抵の楽曲は演奏できるはずである、と言ってみたい。
基礎の部分というのはメソードにすれば数ページで終わるようなものである。
そもそも基礎を身につけたという実感を真に得たならば、アガるようなことは起きない。
手前味噌であるが、私の場合、トランペットであるから、マーラーのシンフォニーの難しいソロやハイドンのコンチェルトやアルチュニアンやトマジのコンチェルトが自信を持って吹けるようになったら、基礎が身についたのだな、という手応えを感じる。
どの楽器にも、これが演奏できたらほぼ基礎が身についたと実感できる楽曲があるはずである。その楽曲が目安である。
今日もグルーヴィーな一日を。