今回は、今年最後のコラムです。
帰国してもう5ヶ月が経つのかと、とても不思議な気持ちになりますが、ここ最近強く強く感じること。
それは、私はやっぱりどうしようもなく音楽が好きだなぁということ。
色々回り道をしたような気もするけれど、今私が感じてることは尊いもので、自分でこれからも大事に大事にしたいなと思う、素直なやわらかな気持ちです。
さて、タイトルの「後悔はしない方だけど、もしするとしたら」....読者の皆さんはどんなことを思い浮かべるでしょうか?
私はただひとつ、自分を信じてあげなかったことです。
自分には力がないと思っていたこと。
自分に自信がなかったこと。
自分の夢を、精一杯自分が後押しをしてあげなかったこと。
音程ひとつとっても「自分に出来る」と自分を信じなければ、いくら練習してもとれないし(私の場合)、自分を信じなければ、好きな人の前で自分自身にもなりきれない。
自分を信じてあげなければ、本当の自分が何者なのかも分からない。
自分を信じなければ、自分がやりたいことも見失って、そんなことを重ねているうちに、自分さえも見失ってしまう。
まだまだ不安定なところは多々あるけれど、これに気付けただけでも、自分の中では大きなご褒美。
今までごめんね。これからは、ちゃんと自分を大事にするからね。
一年の終わりに、自分にそうやって言ってあげられるようになって、よかった。
過去は変えられないけれど、未来はいくらだって変えていける。
今この瞬間から。
だから、一瞬一瞬、自分自身に問いかけよう。
会話をしよう。
そして、自分を自分で励まして生きよう。
自分で自分を裏切ったら可哀想すぎるから。
自分で自分を信じて、励まして、そして、行動しよう。
自分で自分を幸せにしてあげよう。
今回で8回目のコラム。拙い文章ではありますが、毎回多くの方々に読んでいただいて、心から感謝しております。
私は音楽を通じて、人生を学んでいると思っています。
クラシック音楽は華やかな世界のように見えますが、私たちが奏でるのは、作曲家たちの心の叫びや告白、心の奥深くの言葉にならない気持ちだったりします。もちろん、楽しい曲もありますが、楽しさも悲しみを知らなければ、その本当の喜びは分かりません。
年齢と共に確実に少しずつでも人間として成長し、それを音楽という形で、これからも皆さまと共有して参りたいと思います。
2015年、応援していただき、ありがとうございました!
皆さま、よいお年を!
"Follow The Light"
ヴィオラ奏者 安達真理
第8回
後悔はしない方だけど、
もしするとしたら

Mari Adachi, Vla
東京生まれ。4歳よりヴァイオリンを始める.
桐朋学園大学在学中にヴィオラに転向。卒業後、同大学研究生修了。
2009年よりオーストリア、ウィーンに渡る。
ウィーン国立音楽大学室内楽科を経て、2013年スイス、ローザンヌ高等音楽院修士課程を最高点で修了。
2015年、同音楽院ソリスト修士課程を修了。
2013年よりオーストリアの古都インスブルックのインスブルック交響楽団にて2年間副首席ヴィオラ奏者を務める。2015年夏、6年間の海外生活にピリオドを打ち、日本人として改めて日本の役に立ちたいと決意を新たにし、完全帰国。
2005年霧島国際音楽祭にて特別奨励賞、優秀演奏賞受賞。
第6回大阪国際音楽コンクールアンサンブル部門第1位およびラヴェル賞受賞。
2006、2007年ヴィオラスペースに出演。『サイトウ・キネン若い人のための室内楽勉強会』に参加。
2007~2009年N響オーケストラアカデミー生として著名な指揮者、演奏家と共演、研修を積む。
2009年小澤征爾音楽塾オペラ・オーケストラ両プロジェクトにてヴィオラ首席奏者を務め、日本と中国にて公演。
2010、2011、2013年とオーストリアのセンメリンクでの国際アカデミーに参加する度、全弦楽器を対象とするコンクールにてソリスト賞を受賞。
2011年バーデンバーデンのカール・フレッシュアカデミーにて、バーデンバーデン管弦楽交響楽団とバルトークのヴィオラ協奏曲を共演、特別賞を受賞。
2011年よりカメラータ・デ・ローザンヌのメンバーとして、ピエール・アモイヤル氏と共に、スイス、フランス、トルコ、ロシアの各地で多数の公演を行なう。またこれまでにアライアンス・カルテット、ルーキス・カルテットのメンバーとしてオーストリア、ハンガリーを中心に公演を行なう。
2014年、バンベルク交響楽団にて首席ヴィオラ奏者として客演。
2015年、ローザンヌ室内管弦楽団とマルティヌーのラプソディー協奏曲を共演。
同年夏、モントルージャズフェスティバルに出演。クラシック音楽のみならず、幅広いジャンルで活躍。
世界的なヴェルビエ国際音楽祭にて、アマチュアの人たちの室内楽のレッスンにあたるなど、指導者としても活動を始めている。
ヴァイオリンを篠崎功子氏、ヴィオラを店村眞積氏、ジークフリード・フューリンガー氏、今井信子氏、ギラッド・カルニ氏、室内楽を、東京カルテット、ヨハネス・マイスル氏に師事。その他国内外にて多数のマスタークラスを受講。
https://twitter.com/AdachiViola
https://www.facebook.com/mari.adachi.viola
聡明な解釈と美しい音による豊かな表現。彼女はアーティスティックな才能を持っている。』
——ギラッド・カルニ(ローザンヌ高等音楽院教授、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団首席ヴィオラ奏者)
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ショスタコーヴィチの自筆譜のコピーとヴィオラ