私は室内楽を弾くのが大好きです。
二人以上で一緒に演奏することから始まり、オーケストラを弾く時でも室内楽の要素を感じながら弾いています。

 

ウィーンに留学していた頃は室内楽科で学んでいました。それまでも日本でカルテット(弦楽四重奏)は弾いていましたが、私はウィーンでその本当の楽しさに気が付きました。

 

何が一番面白いと思うのか。

 

それは奏者それぞれだと思いますが、私の場合は瞬間瞬間に反応し合うことに大きな喜びを感じます。

 

普段友達や家族と一緒にいて、会話の内容はもちろん、表情やちょっとした仕草で心がホッとしたり楽しいと感じますよね。

 

それと同じことが音楽でも起こります。そんなにまだ相手のことを知らなくても、音楽のキャッチボールを通して、言葉を超えて、パッと通じ合えることがあります。こうして、あっという間に信頼と親近感が生まれる瞬間は、その場に一緒に居合わせることが出来たことへの感謝の気持ちでいっぱいになります。

 

特にヴィオラという楽器は、チェロとヴァイオリンに挟まれた音域です。イメージで言うと、「母親」のようなポジションなのではないかなと思っています。ヴァイオリンたち(「子供たち」的イメージ)を影で支え、付かず離れずなベストな距離感を察しながら愛をもって見守り、個性を思う存分自由にのびのびと発揮してもらい、チェロ(「父親」的イメージ)にはシッカリと支えられながらも、内助の功を実現していく。そんな風に私はヴィオラの役割を捉えていると同時に、そんな役割を持つヴィオラのポジションを、過少も過剰もなく、心から愛しています。

 

さて、次回は今年最後のコラム。
こうして想いを言葉で表現し、読者の方々とそれを共有出来る場所があるということに感謝をしながら、「後悔はしない方だけれど、もしするとしたら」というテーマで締めくくりたいと思います。

"Follow The Light"
ヴィオラ奏者 安達真理

 

第7回 室内楽

Mari Adachi, Vla

 

東京生まれ。4歳よりヴァイオリンを始める.
桐朋学園大学在学中にヴィオラに転向。卒業後、同大学研究生修了。

 

2009年よりオーストリア、ウィーンに渡る。

ウィーン国立音楽大学室内楽科を経て、2013年スイス、ローザンヌ高等音楽院修士課程を最高点で修了。

 

2015年、同音楽院ソリスト修士課程を修了。

 

2013年よりオーストリアの古都インスブルックのインスブルック交響楽団にて2年間副首席ヴィオラ奏者を務める。2015年夏、6年間の海外生活にピリオドを打ち、日本人として改めて日本の役に立ちたいと決意を新たにし、完全帰国。

 

2005年霧島国際音楽祭にて特別奨励賞、優秀演奏賞受賞。
第6回大阪国際音楽コンクールアンサンブル部門第1位およびラヴェル賞受賞。


2006、2007年ヴィオラスペースに出演。『サイトウ・キネン若い人のための室内楽勉強会』に参加。


2007~2009年N響オーケストラアカデミー生として著名な指揮者、演奏家と共演、研修を積む。


2009年小澤征爾音楽塾オペラ・オーケストラ両プロジェクトにてヴィオラ首席奏者を務め、日本と中国にて公演。


2010、2011、2013年とオーストリアのセンメリンクでの国際アカデミーに参加する度、全弦楽器を対象とするコンクールにてソリスト賞を受賞。


2011年バーデンバーデンのカール・フレッシュアカデミーにて、バーデンバーデン管弦楽交響楽団とバルトークのヴィオラ協奏曲を共演、特別賞を受賞。


2011年よりカメラータ・デ・ローザンヌのメンバーとして、ピエール・アモイヤル氏と共に、スイス、フランス、トルコ、ロシアの各地で多数の公演を行なう。またこれまでにアライアンス・カルテット、ルーキス・カルテットのメンバーとしてオーストリア、ハンガリーを中心に公演を行なう。


2014年、バンベルク交響楽団にて首席ヴィオラ奏者として客演。


2015年、ローザンヌ室内管弦楽団とマルティヌーのラプソディー協奏曲を共演。
同年夏、モントルージャズフェスティバルに出演。クラシック音楽のみならず、幅広いジャンルで活躍。


世界的なヴェルビエ国際音楽祭にて、アマチュアの人たちの室内楽のレッスンにあたるなど、指導者としても活動を始めている。


ヴァイオリンを篠崎功子氏、ヴィオラを店村眞積氏、ジークフリード・フューリンガー氏、今井信子氏、ギラッド・カルニ氏、室内楽を、東京カルテット、ヨハネス・マイスル氏に師事。その他国内外にて多数のマスタークラスを受講。


http://www.mariadachi.com
 

https://twitter.com/AdachiViola

 

https://www.facebook.com/mari.adachi.viola

 

聡明な解釈と美しい音による豊かな表現。彼女はアーティスティックな才能を持っている。』

——ギラッド・カルニ(ローザンヌ高等音楽院教授、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団首席ヴィオラ奏者)

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この7月にスイスのモントルージャズフェスティバルで弾いたカルテットの写真

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