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『おみぃのおと。』
ヴァイオリニスト 尾池亜美
第6回 『傾毛思想』
弓がくるくると左右に振れ、普段通り(奏者にとって)奥側の方を使ったり、時々は思い切って手前を使ったりします。
特にこの動画では、移弦して手首を『おいでおいで』と動かしG、E線を弾き、低い弦の時に、この手前の毛を使います。
文章だと手前と奥、上と下、などと両極のことしか書きませんが、もちろん動きはすべて滑らかに、角なく、曲線になるように動いてください。良い音につながります。日常生活だって、円満がいちばん。(笑)
そして、手首を上にあげたとき、手前の毛を使うには、親指の力が抜けてないと上手く行きません。
このためには、親指を安定した位置に置くこと=愛溝心、を思い出してください。黒炭の毛箱に軽くタッチする辺りに親指を置き、中指の腹で親指の爪先をタッチ、です。
これが噂の『傾毛思想』というものです。テストには、出ませんが、この動きに慣れてくれば、ずいぶん右手が楽になること、間違いなしです。
ヴァイオリニストは肩がこる…。
これは事実であり、日本のヴァイオリニストがこのタイトルで本を書いていらした気もします。
でも他の職種でも肩は凝りますし、目を使いすぎても何故か肩凝りに繋がるし、いつどこで原因が生まれるかは中々判りません。
ヴァイオリニストでも実は別のところに肩こりの原因があったりもします。重いものを背負ったり、プレッシャーによって日常生活で力んでいたり、です。
私もスポーツマッサージに通い、一時期は『野球選手並み』と腕の筋肉を評された(褒められたのではない)ほどです。でも、色々と試みて、段々マシになって来ているみたいです。
自分の身体で試行錯誤しているうちに、いつどうやって肩こりが生じるかが、分かってきた気がしています。
私の最大の原因は、練習や本番そのものではなく、練習や本番の際の『誤った情熱』が原因だったように思います。
次回はこの誤りとその観察結果をご報告したいと思います。
チュース!
Ami Oike
French Romanticism
尾池亜美 ヴァイオリン
尾池亜美(ヴァイオリン)
佐野隆哉(ピアノ)
セザール・フランク:ヴァイオリン・ソナタ・イ長調
カミーユ・サン=サーンス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調Op.75
クロード・ドビュッシー:夢
定価2,500円(税込)
さっそくですが、前回書いた通り動画を撮ってみました。先ず弓の基本的な方向性(ダウンアップ+移弦の上下)と、移弦の時の手首の動き、またそれに伴う弓の毛の使う部分の変化が見られます。
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