ハーピストSANAEのハープ革命

第15回「コード弾きという考え方」

こんにちは、早いもので2014年最後の記事です~!
私が演奏活動しているエレクトリックハープ、
先日、ついに「エレキテルハープ」と呼ばれましたw
ダメよダメダメ~
いつかこの日が来るとは思っていましたw
ある意味間違ってないですが~、
エレクトリックハープですwww
 
さて、今回は「コード弾きという考え方」についてをすこし。
 
アッコルドの読者のみなさまは、
おたまじゃくしが並んだ、クラシックの譜面を見る方が多いでしょうか。
 
難易度の高い曲などは、様々な技巧が書き込まれ、
アリの大群のような細かい音符が何声にも並び
複雑な和声の進行をしたり、特殊な表現が指定されていたり、、
 
私もクラシック出身なので、
クラシックの素敵なところをたくさん知っています。
 
○○版などいくつかの解釈の楽譜が存在するとしても、
どのアーティストも皆、同じ譜面を見て、何ヶ月も磨いて、
同じ楽譜なのに演奏者によってそれぞれが違う表現であったり、
個性や、音質、楽器の違いであったり、重みや軽さ、
粒やダイナミクス、大胆さや繊細さ、
そんな数知れない部分を、
聴衆も、演奏者本人も楽しんだり、研究したりします。
 
その一方で、クラシック寄りに位置する、
聴く方や弾く方にときどきみられるのが、
ポップスを軽んじてみてしまうところがあったりします。
もちろん、全員ではありません。
私もクラシック漬けの時代はそうでした。
 
ポップス、ジャズ、ロック、ソウル、クラブミュージック、、、
たしかに、クラシックのような重厚感や重み感があるものは少ないかもしれません。
おたまじゃくし重視のクラシックのかたの為のポピュラー音楽は、
ジャズもロックもポップスもアレンジされて、
おたまじゃくし表記されたものが売られています。
単にこの音符を追うのは、難しくはないでしょう。
 
しかし本来、これらの音楽は、
クラシックで使うおたまじゃくしの楽譜というよりは、
コード譜を使うことが主です。
 
コードのアルファベットしか書かれていない譜面もよくあります。
これを見ながら、他の人が出している音を聞きながら、
自分がなんの音を出すのか、その場で感じ取って、
その場で曲を作り上げて行く、そんな能力が求められます。
 
要は、
クラシック音楽で数ヶ月かけて曲を磨き上げて行く能力・魅力と、
コードを見て、その場で自分でメロディも作りながら
伴奏やオブリガードも作っていくというアドリブ能力・魅力は、
両方やっている身としては、別のものかなぁと感じます。
それらの良さが、自分が聴く立場になっても、弾いていても、
それらの特徴を魅力として感じ取るのだと思います。
 
どちらかと否定しているわけではありません。
私はどちらの魅力もよく知っています。
 
そう、ツアーや個人旅行に限らず、
旅行にいくときに何ヶ月も前から計画を立てて
見たいもの食べたいものを計画通りに旅行で廻って行くことが
フィットする旅という人と、
ふらりと航空券だけ買って、現地で興味の赴くままに行動しつつ
自分にフィットする旅というもののの
その違いに似ているかもしれません。
 
ちなみに私は、旅は海外でも、後者派です~
 
アッコルドの読者のみなさまは、
クラシックの魅力は熟知されていると思いますので
ここでは、ジャズやロック、ポップスに出て来る
コード譜を例にとりましょう。
 
ジャズによくある譜面例がこちら。
(写真)
 
例えばこの譜面だけで
リード楽器、ベース、ギターなどのコード楽器、
オブリガードをする楽器、ハモる楽器、
例えば5人いても
この情報だけでそれぞれのパートがそれぞれの音を
他の人の音を聞きながら作り上げていきます。
 
ハープソロの場合は、ぜんぶ一人で弾かなくてはいけません、
その情報もこのアルファベットを見れば、解決できるのです。
例えば、コードがGm7だからといって、
ソ、シ♭、レ、ファの4つしか使っちゃいけないのかというと、
そうではありません。
ラも使えますし、ドだって使えます。
どこのパートとして使うか、その使い方なのです。
 
第14回、第15回のコラムで書きましたように、
ハープという楽器は、
他の楽器のように音を出すまでに、
ペダルやレバーや、指の準備も
準備作業が非常に多く、予め考えておかないと演奏できないような楽器です。
 
ペダルやレバー、指の準備など、いくつものパズルや準備作業を終えて
初めて他の楽器と同じ演奏スタートラインに立てるのです。
その複雑で手間のかかる準備作業はハープならではのものでしょう。
おそらく、そのために、
ジャズハープやアドリブハープの普及が
他の楽器より遅れているのではないかなと思います。
 
今回は、コード弾きという考え方についてでした。
それではみなさま、
メリークリスマス、そして良いお年をお迎えくださいませ☆
 
 
【お詫びと訂正】
第15回「グランドハープのペダリング」で
例に出したD♭7、メジャー表記のMが抜けておりました。
正しくはD♭M7です。
訂正と、お詫び申し上げます。

SANAE(ハープ奏者)

 

日本におけるエレクトリックハープの第一人者として、本邦初の立奏スタイルを採用し、これまでになかった斬新で革新的なハープサウンド、ステージ、新しい演奏テクニックをも生み出す新しい可能性を拓くハーピスト。

 

エレキハープ、エレアコ・ハープ、グランドハープ、レバーハープ、シングルアクションハープ等の様々な種類のハープを弾きこなす。

 

東京音楽大学出身、これまでにハープを篠崎史子、島崎節子、吉田みちこの各氏に師事。

 

最近では2012年ベトナムフェスティバル・メインステージへのソロ出演、2013年7月エレキハープでのライブアルバム「SANAE/SOUHAIT」をリリース。レコ発ライブツアーを東京ほか、全国で3公演開催。

 

現在、日本全国でソロ活動のほか、イベントやライブ、フェスティバル、メディア等への出演や、レコーディングなど、ポップス、ジャズ、ロック、エレクトロ、ダンスミュージックにソウル、映画音楽やクラシック、ミュージカル、民族音楽、ワークショップ講演など幅広く活動中。

 

2014年はFMやまと「大和でNANANA ハーピストSANAEのCome☆音!」番組パーソナリティ。

 

セカンドアルバムリリースの予定もされており、これまでになかったダイナミックで迫力ある斬新なハープの表現が注目を集めている。

© 2014 by アッコルド出版