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ハーピストSANAEのハープ革命
第15回「グランドハープのペダリング」
こんにちは。
いよいよ忘年会シーズンまっただ中ですね、
衣装が入らなくなりそうに、暴飲暴食中ですwww
さて、前回第14回のハープ革命では
主にグランドハープについてを題材に
「異名同音」について少し触れましたので、
ここで、ぐいっと、グランドハープのペダルのお話を。
このあたり、グランドハープならではの考え方が多くなり、
しょうしょうむつかしくなります~
いざ覚悟www
グランドハープにはペダルがあります。
多くの方はこれを「チューニングのため」と思われるようですが、
ざんね~ん、違います。
調弦はまったく別のことなので、
まずチューニングではないということを覚えておいてくださいね。
ペダルの写真を見てみましょう。
右端が切れてしまっているのですが~
左側に3つ、右側に4つ、合計7つのペダルが
それぞれに、上・中・下の3段階に踏み込めるように
付いています。
写真は、上中下の中の部分にすべてセットしています。
(写真:グランドハープのペダル)
これが何かというと、
7つのペダルはドレミファソラシの7つ、
上中下に踏み込めるのは、♭、♮、♯の3段階、
という意味なのです。
ちなみに並び方は、ペダルは左から
レ・ド・シ(真ん中)ミ・ファ・ソ・ラ
上中下の
上は♭、真ん中が♮、下は♯
というふうに並んでいます。
ですので、上のペダルの写真は
すべて♮の状態、
つまりピアノの白鍵の部分のみにセットされています。
(図:鍵盤C →)
では黒鍵のみの音を出したい時はどうするのでしょうか。
1オクターブの中にドレミファソラシの弦、
7本ありますが、
黒鍵は5つだけしかありません。
ここからが、前回に触れた「異名同音」を使っての、
ペダリングの技術なのです。
(図:鍵盤 黒鍵 →)
この鍵盤の図を見ながらいきましょう。
ド♯とレ♭は同じ音になります。
それぞれを♯と♭にペダルを変えれば、
2弦とも同じ音が出ます。
そしてミ♭、
ファ♯=ソ♭、
そしてラ♯=シ♭も2弦同じ音
この考え方だと、ペダルは
ド♯、レ♭、ミ♭、ファ♯、ソ♭、ラ♯、シ♭
ですが、別の考え方もできます。
レ♭ではなく、
レ♯にすると、レ♯=ミ♭、
ソ♭ではなく、ラ♯ではなくどちらも♭にすれば
ファ♯=ソ♭で2弦同じ音
ラ♭は単独、シ♭は単独
異名同音で考えれば、
組み合わせはいろいろあるのです。
ややこしいでしょか~?
調性という○長調、○短調などだけではなく、
記譜上も技術的にもそれを超えた
柔軟なパズルのような考え方をしなければいけないのが
ハープという楽器なのです。
ついでにコードのペダリング例もしてみましょう
こちらはD♭7のコード
(図:鍵盤D♭7 →)
これを構成するペダリングの考え方例としては、
ド♯=レ♭、ミ♯=ファ♮、
ソ♯=ラ♭、シ♯(ドの♮を単独)
というようなペダリングが考えられます。
もう一つ、C7というコードの場合
(図:鍵盤C7 →)
ド♮、
ミ♮=ファ♭、
ソ♮、
ラ♯=シ♭の2弦、
レの♮はコードの構成音には出てきませんが、
スケール(音階)の中に出て来る構成音で
このままでおかしくないので
(逆に♭や♯にはできない)
このまま♮のペダルで残しておきます。
ですが、このコードだからこのペダル!
という、ギターの運指のような決まりはなく、
演奏者の技術と知恵にゆだねられるのが
グランドハープのペダリングです。
今回のグランドハープのペダリング、
ちょっと難しかったでしょうか。
こりずに、また読んでくださいね~☆

SANAE(ハープ奏者)
日本におけるエレクトリックハープの第一人者として、本邦初の立奏スタイルを採用し、これまでになかった斬新で革新的なハープサウンド、ステージ、新しい演奏テクニックをも生み出す新しい可能性を拓くハーピスト。
エレキハープ、エレアコ・ハープ、グランドハープ、レバーハープ、シングルアクションハープ等の様々な種類のハープを弾きこなす。
東京音楽大学出身、これまでにハープを篠崎史子、島崎節子、吉田みちこの各氏に師事。
最近では2012年ベトナムフェスティバル・メインステージへのソロ出演、2013年7月エレキハープでのライブアルバム「SANAE/SOUHAIT」をリリース。レコ発ライブツアーを東京ほか、全国で3公演開催。
現在、日本全国でソロ活動のほか、イベントやライブ、フェスティバル、メディア等への出演や、レコーディングなど、ポップス、ジャズ、ロック、エレクトロ、ダンスミュージックにソウル、映画音楽やクラシック、ミュージカル、民族音楽、ワークショップ講演など幅広く活動中。
2014年はFMやまと「大和でNANANA ハーピストSANAEのCome☆音!」番組パーソナリティ。
セカンドアルバムリリースの予定もされており、これまでになかったダイナミックで迫力ある斬新なハープの表現が注目を集めている。





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