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ハーピストSANAEのハープ革命

第13回 「エレアコハープ」

こんにちは☆
なんとこれを書いている私、39度の発熱中です。
インフルではありませんでしたので、
ち、ち、知恵熱? www
そんなわけで(どんなわけで?)
今回は、エレアコハープのお話。
 
クラシックをしているとわかりにくいエレクトリックの世界。
以前のコラムでも書きましたが、
エレクトリックハープと呼ばれるものにも、
完全にエレキの構造のハープと、
アコースティックとしても音が出るエレアコタイプと、
大きく分けて2種類のエレクトリックが存在します。
 
完全にエレキ構造と書いたものは、
生音では演奏できず、アンプかミキサーにつなげて
スピーカーから音を出さないと、
演奏にならないタイプ。
 
一方、生音楽器としても使えて、
アンプにも繋げられるよという、一石二鳥にみえるものが
エレアコ(エレクトリック・アコースティック)のタイプです。
 
今回はこのエレアコについてです。
 
今日現在、世の中に出ている半数以上のエレクトリックハープは
このエレアコタイプではないでしょうか。
特に、グランドハープタイプはほぼこのエレアコだと思います。
他にも、レバーハープやアルパなどの様々な種類の
ハープ属に属する楽器にエレアコが存在しています。
 
つまり、共鳴胴のある楽器はエレアコで、
共鳴胴を無くしてスマートに見えるボディはエレキです。
 
このエレアコタイプの最大の特徴は、
そもそもアコースティック楽器としても成り立つものなので、
アンプに繋いだとしても、
生音楽器(従来のハープ)と同じ技術で弾けるということです。
そして、生音を活かした音をアンプから出せるというのも
メリットが大きいのです。
 
完全にエレキの楽器の場合、
アコースティック楽器の技術が通用しないケースが
多々あるのです。
これはエレキならではの特徴ですね。
 
ハープはそのまま生音で弾いて美しい楽器なのですが、
アンプにつないで、少しリバーブを加えたりすることで
その効果がとても高まりますし、
 
、、自分がすごく巧くなったような錯覚さえ起こります(笑)
 
グランドハープタイプは、
以前、銀座十字屋さんを訪問した際にご紹介した
「レインボー」という機種もそのひとつです。
(写真:レインボー)
 
レバーハープは、私も持っている
カマックのバルディックという小型ハープにも
エレアコ加工をすることができます。
(写真:SANAE)
 
ハープには、エトゥフェといって音を消すという技法がありますが、
この音を消す技法が
エレアコ楽器では生音楽器と比べて工夫が必要です。
生音に比べて、音が持ち上がって強調されている状態なので、
生音のように消そうとすると「ブチ!!」とモロになったり、
消さないと、前の音と混じり合ったり、
エフェクトをかけたり止めたりするときの工夫も必要なのです。
 
音作りも工夫が必要、ここまでは演奏者の技術の一つです。
高中低音のバランスであったり、
リバーブの具合であったり、
これだけでもかなり音質が変わってしまうのです。
自分の出したい音を作るのは、エレクトリックの醍醐味です。
 
そして、最大のメリットは、
生音楽器で外側からマイクで音を拾うのとは違って、
エレアコ楽器ではハウリングを起こさないということです。
 
クラシックから始めるかたは、
エレアコハープはとっつきやすく、扱いやすい楽器です。
 
 
以上、エレアコの巻。

 

SANAE(ハープ奏者)

 

日本におけるエレクトリックハープの第一人者として、本邦初の立奏スタイルを採用し、これまでになかった斬新で革新的なハープサウンド、ステージ、新しい演奏テクニックをも生み出す新しい可能性を拓くハーピスト。

 

エレキハープ、エレアコ・ハープ、グランドハープ、レバーハープ、シングルアクションハープ等の様々な種類のハープを弾きこなす。

 

東京音楽大学出身、これまでにハープを篠崎史子、島崎節子、吉田みちこの各氏に師事。

 

最近では2012年ベトナムフェスティバル・メインステージへのソロ出演、2013年7月エレキハープでのライブアルバム「SANAE/SOUHAIT」をリリース。レコ発ライブツアーを東京ほか、全国で3公演開催。

 

現在、日本全国でソロ活動のほか、イベントやライブ、フェスティバル、メディア等への出演や、レコーディングなど、ポップス、ジャズ、ロック、エレクトロ、ダンスミュージックにソウル、映画音楽やクラシック、ミュージカル、民族音楽、ワークショップ講演など幅広く活動中。

 

2014年はFMやまと「大和でNANANA ハーピストSANAEのCome☆音!」番組パーソナリティ。

 

セカンドアルバムリリースの予定もされており、これまでになかったダイナミックで迫力ある斬新なハープの表現が注目を集めている。

© 2014 by アッコルド出版

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