魅惑のパガニーニ
ヴァイオリニストのレイ・イワズミさんが、
ギタリストの鈴木大介さんと、パガニーニで共演する。
しかも、ヴァイオリン製作者のアンドレアス・プロイスさんが製作したパガニーニの愛用した名器「イル・カノーネ」のレプリカで演奏する。
11/2 JTアートホール アフィニス
「イル・カノーネ」のレプリカ製作にあたって
アンドレアス・プロイス
かのパガニーニが愛用した「イル・カノーネJ は、ストラディヴァリウスと並び称せられる名器グァルネリ・デル・ジェス(イタリア・クレモナの名匠バルトロメオ・ジュゼッベ・アントニオ・グァルネリ製作のヴァイオリン)の中でも最高傑作の一つです。
ある日、その「イル・カノーネ」に触れる機会に恵まれ、世界最高の名器の一つと言われるだけあって、その完成度の高さに衝撃を覚えました。同時に、大きく手を加えられることなく、ほぼオリジナルのまま良好な状態で、保存されていることから、用いられている材料が正確に分かり、製作工程にイマジネーションが膨らみ、いつか本物を生き写したレプリカを作りたいという思いがふつふつと湧いてきました。
それから長い歳月が経ちましたが、幸運にも「イル・カノーネ」とそっくりな木材と出会い、長年の夢を実現させようと、今回のレプリカの製作に取掛りました。
レプリカ製作の際には、今回に限りませんが、どのようにしたら本物の音を再現できるのかを研究し、ニスを自分で調合し、当時の道具のみを使って行ないます。時間がかかる作業ですが、形だけでなく、オリジナルの持つ印象、響き、味を正確に伝えるには、そうすべきであると確信しています。
「イタリアンサウンドは、反応が早い、音色の幅が広い、そしてピアニッシモでも遠くまで届く」と言われており、この3つの要素を大切にしながら、丹精込めて仕上げたレプリカによる魅惑のパガニーニをお楽しみ下さい。
プロフィール
母国ドイツでマイスターの称号を持つ。パールマン、アイザック・スターンら世界的ヴァイオリニストから信頼されているニューヨークの「Jacques Frarn~ais(ジャック・フランセー)」をはじめ、ドイツ、ハンガリー、フランスの名高い工房で経験と研鎖を積み、数々の名器に触れる。2006年、東京に自らの工房「プロイス弦楽器マイスター工房」を開く。
(ホームページhttp://preuss.jp/)
ヴァイオリン
レイ・イワズミRay Iwazumi
ジュリアード、音楽院でドロシー・ディレイに、ブy !) ュッセル王立音楽院でイーゴリ・オイストラフに師事し、両氏より多大な影響を受ける。ブV ュッセル王立音楽院で、修士課程、ジュリアード音楽院で博士課程を首席で修了する。
以来、ニューヨークを拠点に、欧米と日本各地で、ソロや室内楽のコンサートを開催し、幅広い知識と卓越したテクニックに基く表現力豊かな演奏が絶賛されている。
音楽学にも造詣が深く、とりわけイザイの研究が高く評価され、ベルギー、アメリカ、日本で講演に招かれたり、専門誌に論文が掲載されている。教育者としての評価も高く、現在、ジュリアード音楽院で、教鞭を執るほか、ブV ュッセル王立音楽院などで、マスタークラスが開催されている。
「イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ集」などのCD がリリースされている。
ヴァイオリニスト
レイ・イワズミ
ギタリスト
鈴木大介
photo: Hirohisa KOIKE
ギター
鈴木大介助isuke Suzuki
早稲田大学在学中に、マリア・カナルス国際コンクール
第3位、アレッサンド、リア市国際ギター・コンクール優勝し、ザノレツブツレグ・モーツァルテウム音楽院に留学。
帰国早々、武満徹から「今まで、に聴いたことがないようなギタリスト」と評され、一躍注目を集める。以来、明断な解釈力と洗練された音楽が高く評価され、常に第一線で活躍を続ける。クラシックに留まらず、ジャズギタリストの渡辺香津美や鬼怒無月などとの共演も話題を呼んで、いる。
また、作曲や編曲を手掛けるなど、活動範囲は幅広い。
数多くのCD がリリースされ、いずれも高い評価を受ける。
「カタロニア讃歌~鳥の歌/禁じられた遊び~」は2 005
年度芸術祭優秀賞(レコード部門)を受賞。
第10 回出光音楽賞受賞。平成17年度芸術選奨文部科
学大臣新人賞受賞。
2014年11月2日(日)
13時半開演
JTアートホールアフィニス
曲目:オール・パガニーニ
カンタービレ
「心はうつろ」による序奏と変奏曲
グランド・ソナタより「ロマンス」
チェントーネ・ディ・ソナタ集よりソナタ4番、10番、15番
ソナタ作品2/4と作品3/6
ヴァイオリンとギターのための華麗なる変奏曲(カプリス24番)
詳細:スピカ 03-3978-6548 spica@sepia.ocn.ne.jp