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ハーピストSANAEのハープ革命
第12回 「ハープ奏者あるある」
こんにちは☆ ハーピストのSANAEです。
ひゃーもう11月!
今年も残すところあと2ヶ月くらい、なんて早いのでしょう!
今回は、「ハープ奏者あるある」の巻。
「ミュージシャンあるある」は、
たまーにネットなどでも出ていたりしますが、
「ハープ奏者あるある」等というマニアックなネタは
ほぼ掲載されていないのでは~
ハーピストの裏面(ひっひっひ)を
知っていただくひとつのネタとして
どうぞご高読くださいませ~
◆「チューニングに時間が必要です~」
ココからいきます~。
アッコルドをお読みのみなさまはご存知のことと思います、
一部の鍵盤楽器などをのぞき、
その他の楽器が演奏ごとに必ずチューニング(調律)します。
ただ弦の数も多い上、温度湿度に繊細なので
ハープのチューニングには時間がかかるのです。
ヴァイオリンは弦4本、チェロも4本(そりゃそーだ笑)
ギターは6本、ベースは4~5本ですが、
グランドハープは47本です。
(写真:グランドハープ)
単純計算でもヴァイオリン約12台分、
ギター8台分という、楽器屋さんのような台数分の
チューニングになるわけですが、
ハープは構造上、とても繊細なので、
温度湿度の変化(場所の変化)で
チューニングがとても狂いやすいのです。
場所を動かしていなくても、
エアコンのスイッチの入・切だけでも狂ってきます。
これでも現代のハープはかなり改良されたのです。
あのモーツァルトは、
当時のハープがあまりにもピッチが悪くて大嫌いだったとか。
で、ハープ曲はほぼ無いのです。
唯一有名な、モーツァルトの
「フルートとハープのための協奏曲」は
フルートとハープをしているリッチな夫婦のパトロンに
ギャラをもらったので、書かない訳にいかず、
ビジネス上の理由でしぶしぶ書いたそうなので、
ハープっぽいというよりは、
作曲の際に使ったであろうピアノっぽい雰囲気の
フレーズが多いなぁと私個人的には思ったりします。
◆「だから会場入り時間が早いのよーん」
同上↑の理由で、チューニングには時間がかかるため、
また、他の楽器が音出しをしてからだと
音を取りにくくなってチューニングしにくいため、
ハープ奏者は会場に一番乗りで入ることが多いのです。
他のメンバーの会場入り時間には
チューニングが終わっているようなイメージで
早めに入ることが多い、
勤勉なハーピストだち。
(※わたしも!わたしも勤勉~!笑)
楽器も、移動したばかりの状態では、
会場の温度湿度になじんでいないので狂いやすいので、
楽器も搬入させる場合は、2時間前くらいに入れたいのです。
まじめなんです~
◆「経費、ものすごくかかってます」
で、気になる話題でもあり、
下世話なおはなしでもありますが~
ハーピストの経費のかかり具合は、
例外はあると思いますが、
一般的にその他楽器よりグンを抜いています。
まず、楽器そのものが「消耗品」なんです~!!
意外でしょう?
ヴァイオリンなどは古い楽器も高価に出ていますが、
ハープは価格が落ちて行くのが一般的。
なぜならば、金属を使っている楽器は
ハープでなく、他の楽器でも、
金属が劣化するので、永年的には使えないのです。
劣化! 私のことじゃないですよ、金属のおはなし~
そもそも高価なハープですが、
プロ使用で日常的に弾く場合は
せいぜい20年くらいで寿命でしょうか、
(ピークを過ぎるという意味)
それより前に買い替える奏者もけっこういます。
プロ使用でなく、環境や保管もよければ
30~40年、手入れしながらなら50年くらい
使えるかもしれません~
少なくともン百万のグランドハープ、
何台も持っているハープ奏者も少なくありませんし、
そのメンテナンスも、ン十万単位でかかったり、
いちいち運搬費もかかりますし、
繊細な楽器の保管には空調管理など環境にも経費が、
切れやすいガット弦の太いものは
1本1万近くしてしまったり、、、
あげればキリがないほど、
ハープは経費がかかります。
このように、
ものすごい経費がかかっているので
経済のしくみとしては、ギャラもその分高くなるはずなのです。
仕入れの安い回転寿司屋と、
銀座のお鮨屋さんとで値段が違うのと
同じ仕組みのように思います。
最近は、
音楽をあまりご存知ない方がギャラを提示することもあり、
経費の少ない楽器や、楽器代のないヴォーカルと並べて
ハープも同額で「みんな公平に」と提示されるところもあるのですが、
それは
ハープ奏者にとってはアンフェアだと思うわけです。
経費にとられて、実質のギャラ分がなくなってしまうので。
◆「運搬が必要なのです」
ココ、意外と理解を得るのが大変だったりします。
つまり~ 運搬費までは考えていない場合もあったり
音楽事務所でもハープをあまりご存知ない場合は
「え?運搬費いるんですか?」って言われたり、、
それでもまだ、グランドハープは大きいので
わかりやすいと思うのですが、
(まさか、あれを電車で手持ちというのは
想像しにくいですねwww)
アイリッシュ系などのレバーハープや、
私のエレクトリックハープの場合。
都内はなんとか持ち歩くのですが、
(写真:SANAE)
ソフトケースなので
(ハードケース重すぎて持つのすら無理です)
バスやタクシー、飛行機で
トランクに入れることもできないのですが
運転手さんなどによっては
「トランクに入れて!!!」と強制されたり
(乗車しません)
移動中でのエピソードも多くなります。
新幹線や飛行機など特急指定席は
楽器席も必要になったりしますし、
中には「都内は持ち歩けます」って言ってしまうと
どこへでも軽々と持ち運べるものだと思われて、
「では、うちは山奥なんですけど、
登山バスのバス停降りたあと、
山道を20分くらい登ってから、、、」
えーー山道!?無理、無理(笑)
エレクトリックハープのときは、
荷物の重量15キロ超えなので
山道を徒歩、は無理です~~~
というようなこともで、
運搬に関してはいろいろエピソードも
ありつつ、
個人的だったかもしれない(笑)
ざっくりハーピストあるある、でした
SANAE(ハープ奏者)
日本におけるエレクトリックハープの第一人者として、本邦初の立奏スタイルを採用し、これまでになかった斬新で革新的なハープサウンド、ステージ、新しい演奏テクニックをも生み出す新しい可能性を拓くハーピスト。
エレキハープ、エレアコ・ハープ、グランドハープ、レバーハープ、シングルアクションハープ等の様々な種類のハープを弾きこなす。
東京音楽大学出身、これまでにハープを篠崎史子、島崎節子、吉田みちこの各氏に師事。
最近では2012年ベトナムフェスティバル・メインステージへのソロ出演、2013年7月エレキハープでのライブアルバム「SANAE/SOUHAIT」をリリース。レコ発ライブツアーを東京ほか、全国で3公演開催。
現在、日本全国でソロ活動のほか、イベントやライブ、フェスティバル、メディア等への出演や、レコーディングなど、ポップス、ジャズ、ロック、エレクトロ、ダンスミュージックにソウル、映画音楽やクラシック、ミュージカル、民族音楽、ワークショップ講演など幅広く活動中。
2014年はFMやまと「大和でNANANA ハーピストSANAEのCome☆音!」番組パーソナリティ。
セカンドアルバムリリースの予定もされており、これまでになかったダイナミックで迫力ある斬新なハープの表現が注目を集めている。
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