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尾池のブルーマンデー憂さ晴らし

ヴァイオリニスト 尾池亜美

第75回

オーストリア・グラーツはすっかり秋

こんにちは!憂さ晴らしのお時間です。
オーストリア・グラーツはすっかり秋で、公園の栃の木は実を落としきって、それをリスたちがせっせと土の中に埋めています。
 
今日はとても幸せなことを発見しました。滞在中の部屋の、中央暖房が始動したのです。これで、眠るときにマフラーを巻かなくて済むとおもうと、ホッとします。
 
今いる部屋はとても古い部屋です。日本の新築などの感覚とは全く違って、こちらで古いというのは、まさに戦前に建てられた建物のことを言います。
それなので、中も改装されていない場合のアルト・バウ(古い建物)は、窓枠のペンキが剥がれて毎日少しずつ床に溜まっていったり・・なんていうことも有ります。
 
そして、重厚な建物なので、晴れていて外が暖かくても、中が温まらずに外気よりも寒い時があります。(笑)もともと寒がりなので部屋の中では練習するとき以外いつもダウンコートを着ていました(持ってきてよかった…。)
それなので、今日暖房をつけてみて、だんだんとこの暖房機が温まってきた時には、まるで春の訪れを感じるかのような幸せな気持ち。まさに、ヴィヴァルディの春が耳を流れました。(笑)
 
 
 
グラーツへ来て、私はドイツ語への門をたたくことになるのですが、私にとっては新しい世界で、困ったことに一年以内に試験まで受けないといけません。
 
日々の会話もできるようになりたいので、その練習をするために、別の大学で日本語を学んでいるオーストリア人の学生さんを紹介してもらいました。
 
違う言語が密接に存在するヨーロッパには、互いの母国語や得意な言語を教えあう、タンデムというシステムがあります。日本ではあまり馴染みがないけれど、私は日本語を学んでいる語学専攻の学生さんに、日本語をカンタンな英語で説明しながら、教えていて、その代わりに超初級のドイツを後、優しく教えてもらっています。
 
お互いに教え合えるのはとても良いことで、日本語を英語で説明していると、普段考えない日本語の特徴に気づいたりして面白いです。
 
今回は音楽のことを何も書いていないけれど、最近練習してて嬉しいのは、人差し指の、弦を押さえる場所が端っこから真ん中へ変わってきて、ビブラートがかけやすくなってきてとても嬉しいということです。(笑)やっぱり真ん中じゃないと、指が動かなくって、ビブラートの幅も狭くなっちゃいますね。
 
来週は、また大陸内でちょっと旅をします。写真をいっぱい出せるかな?
グラーツの中央広場からの空を最後に。

© 2014 by アッコルド出版

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