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音楽×私

9人のリレーコラム 〈12月11日〜〉

Q:2013年を振り返って、一番嬉しかったことは?

 

﨑 谷 直 人

Naoto Sakiya(Violin)

アッコルド読者の皆さん、こんにちは。前回は一回お休みをいただき、更新出来ずに申し訳ございませんでした。

 

前回は、ちょうど神奈川フィルの11月定期演奏会のゲスト・コンマスなどでバタバタしており、練習場と家との往復でコラムを書く余裕がありませんでした。

 

おかげさまで無事に定期演奏会を終え、その後、小さな室内楽の本番などをいくつかはさみ、12月はここまで、来年1月までの仕事の譜読みと、クァルテットの合わせなどに集中していました。

 

さて、去る11月末に、ウェールズ弦楽四重奏団の来年の演奏会のためのプロモーション・ビデオ撮影がありました。

 

大変有難いことに、2014年3月より、hakujuホールのレジデンス・イン・アーティストにウェールズ弦楽四重奏団が選出され、年3回のシリーズで演奏会をさせていただくことになりました。


テーマは「ウィーンの作曲家と日本人の作曲家」。ウィーンの曲はモーツァルトからウェーベルンまで。日本人の作曲家では、今年の春に演奏した、藤倉大氏の弦楽四重奏曲第2番フレアの再演など、古典から現代の作品までを取り上げます。シリーズ1回目は2014年3月7日です。このコラム読者の皆様にもお越しいただけたらとても嬉しいです。


やはりここで書いているような自分の想いや考えを知っていただいたうえで、演奏を聴いていただけたら、演奏家としては何よりの喜びです。

 

このプロモーション・ビデオは、hakujuホールでのシリーズのために撮影したもので、完成したらインターネットなどで公開する予定です。


今回の撮影では、曲やシリーズそのもののコンセプトに沿った形です。また、可能な限り、僕たち若い世代にも共感し、興味を持っていただけたらと願い、スタッフの方々と入念に打ち合わせをして作りましたので、ストーリー性のあるモダンなイメージの映像になっているのではないかと思います。

 

クラシックの中でも、更にコアな演奏形態の弦楽四重奏ですので、なんとなく堅苦しかったり、難しいイメージになりがちですよね。確かに、弦楽四重奏を理解するのはとても難しいし、複雑なことが多いです。


オーケストラのように、金管楽器や打楽器のような直接的に響く大きなインパクトのある音響効果を感じにくいので、地味な印象があるかもしれません。

 

ですが、どの作曲家も、どの曲も、弦楽四重奏には本当に美しい曲がたくさん存在します。今回のシリーズでも、いわゆる分かりやすいと言われている曲のみではなく、ベートーヴェン後期や、シューベルト、近現代の素晴らしい作品などを取り上げます。


弦楽四重奏の本当の魅力を皆様に体感していただきたいと思い、2ndヴァイオリンの三原を中心に、メンバー皆で決めたプログラムです(うちのクァルテットのプログラミングは、三原のアイディアがかなり反映されています!)。トークも付けながら、確信に迫るような内容に出来るよう、今から準備していきます。

 

写真はビデオ撮影の風景で、後ろの映像はフレアの炎をイメージしたもの。


普通のクラシックのビデオというより、見た時に何か強烈なものを感じていただけるような仕上がりになっていたらな、と願っています。

 

このシリーズの他にも、来年度はウェールズ弦楽四重奏団の演奏会が組まれておりますが、やはりこのシリーズは僕たちにとって「核」になりますので、今から楽しみな反面、プレッシャーも感じています。来年頭くらいには、プロモーション・ビデオが公開されると思います。


楽しみにしていてください!

 

さて、今年も残り3週間を切りました。年内は残り本番4つと来年の演奏会のリハがいくつかです。


今年はたくさんの出会いと再会があり、個人としてもクァルテットとしても、一つ前進出来た年になりました。とはいえ、それはあくまで2014年勝負の年へのスタートラインに立つための1年だったなと、今になれば思います。


その場では、その時目の前のことに必死で、振り返ったり、先を考えたりすることは、なかなか出来ないものです。今年の年末くらいは、1年を少し振り返り、2014年というこれまでの人生の中でも最も重要な年をどう過ごすか、イメージしてみたいと思います。

 

それでは皆さん、また次回まで。


寒いので、風邪をひかぬよう、お気をつけてお過ごしください。

 

 

 


Q:2013年を振り返って、一番嬉しかったことは?

 

A:全てが嬉しかった年でした。たくさんの人と出会い、たくさんの人と再会し、力を貸していただきました。感謝の1年でしたし、自分もその中で出来ることはやってこられたのかな、と・・・。1年前の今頃と比べると自分自身もずいぶん変わったなと思います。
プレッシャーと不安は倍増ですが、2014年にたくさんの目標があることが今は何より嬉しく思います。

皆さん、こんにちは。

 

いよいよ2013年も最後の月、日本ではオーケストラの演奏会でベートーヴェンの第九があちらこちらで演奏されている頃でしょうか。

 

私は前回の記事でも書かせていただいたイギリスでの演奏会の後は、バーゼル室内オーケストラのツアーに参加し、 オーストリアやスペインに演奏旅行に出ていました。

 

また、バーゼルに戻ってからはシューマンのオラトリオの演奏会に参加、寒い寒い教会でのリハーサルとコンサートに耐え抜き(笑)、また素晴らしい曲たちと素晴らしい演奏家の皆様と共に、素晴らしい経験を積ませていただきました。

 

私は2013年から2014年の年末年始にかけて協奏曲漬けになるのですが、それまでは室内オーケストラ、室内楽漬けになっていたし、その直前までは日本でリサイタルもあったわけで、非常に良い周期でソリストとして、室内楽奏者として舞台に立つことが出来ています。

 

ソリストとして舞台に立つことと、室内楽奏者として舞台に立つことは、役割こそ違うものの音楽に注ぎ込む情熱や経験して得るものの大きさに変わりありません。どこまで自分で勉強して臨めるか、どこまで音を出しているときにその音楽を楽しめるか。

 

教職課程に進み人に教えることをより意識するようになり、音でも、言葉でも、人に伝えることの大切さを改めて感じています。それは、共演者にリハーサルで伝えること、舞台上で伝えること、舞台から客席に伝えること… 全てに繋がっていています。しかし、何かを伝えるときには、まず自分に問うーー自分がなぜそう感じたか、自分が何が理解出来ないか。やはり自分に責任を持つことから全てが始まるのです。。。


なんだか最近いつもこの結論に到達しますね(笑)。

 

自分の非を棚にあげて他人のあげ足をとり、自分のプライドを守るために他人を攻撃するような人にだけはなりたくないです。

 

 

 

Q:2013年を振り返って、一番嬉しかったことは?

 

A:我が家の天使たち(ウサギ)の体調が優れなかったのですが、2人とも元気にがんばってくれていることです。

新 倉 瞳

Hitomi Niikura(Cello)

イメージ

 

最近、イメージをすることってすっごく大切なんだなって思います。
感動する演奏をみたり聴いたりするとそう思います。

 

今年は、一番好きなドラムの神様スティーブガットのライブを
三回も見ることができました!
すごかった。
ライヴ中、いい音といいリズムが、永遠に続きます。
一度も打ち損じません。
1stステージ、これから2ndステージもあるのに、68歳、手を抜きません。
全力投球!
やっぱり神様はいました!(><)
ひとつのにごりもないアンサンブルは、
1時間が10分くらいにしか感じませんでした。

 

最高峰の演奏を前に、めまいがしました。
あぁ、もう一度見たい、体感したい。


音楽以外の日常でも、
イメージすることができると、より楽しい毎日が過ごせるんじゃないかって思います。
なんにも考えず先に行動してしまう性格なのですが(笑)、もっと相手の気持ちや立場、少し先の事をイメージすることで、より円滑に物事が進んだり、楽しく過ごせたり、自分次第で、どんなことも楽しくなるんだなっていうことに、やっと気づいてきました(笑)。
音楽も日常も素敵なイメージをして、楽しく過ごしたいものです。

 

寒い日がつづいています今日この頃ですが、
風邪などひかれませんよう、
どうぞご自愛くださいませ!

 

さて、そんな年末に、
自主企画のイベントをやります。
東北へのチャリティーイベントです。
出演者も、快く承諾してくださいました。
ありがたい~。


12月30日(月)
@下北沢 SHEED SHIP
19:00オープン
19:30スタート
ご予約:
¥2,500/当日¥2,800

出演:sola、野村太郎、めかる

ご来場お待ちしてます☆

 

 

 

 

Q:2013年を振り返って、一番嬉しかったことは?

 

A:生まれて初めてファンレターをもらったことと、この間母からクリスマスカードが届いたことです。
お手紙ってもらうと、凄く嬉しいです。

めかる

Mekaru(Violin)

習慣

 

英語を習いに通っている語学学校の授業で先日教材にこんな話があった。世界一周旅行に出かける予定の女の子が、各国の留学生にその国の習慣について尋ねる。例えば友人宅での夕食に招かれたら。韓国では、家に入る前に靴を脱ぐこと。ドイツは、親しい友人との約束でも決して遅刻してはいけない。インドネシアで食事をする時は、右手で食べること。反対に、アルゼンチンではフォークは必ず左手で持つこと。などなど。

 

そして先生に課題を与えられる。僕が日本に初めて来た人という設定で、気をつけるべきことをアドバイスして。わたしは、家に入る時は靴を脱ぐことを挙げた。これは韓国だけでなく日本も同じです、と。すると先生は言った。

 

もし、朝急いでいる時に、編み上げブーツを履いてから、リビングのテーブルに携帯電話を置いてきてしまったことに気づいたら、どうする?

 

靴を脱いで取りに行きますよ。

 

本当?

 

ブーツを脱いだり履いたりしていたら電車に間に合わなくなってしまうよ?

 

だったら膝で歩いて取ってきます。

 

まさか! そのまま靴で上がって取りに行ったらすぐじゃない!

 

いえいえ、それはできません。

 

一体どうして?

 

靴は汚いと思うからです。

 

そんな!信じられないよ、ブーツのまま上がって何が悪いのか全然わからないや、不思議だね……

 

呼吸

 

自分にとって当たり前のことほど、他人から見ると理解しづらいのかもしれない、と思う場面に、このところ何度か遭遇した。

 

11月後半で新曲を弾く機会が2回あった。新曲の演奏にあたって、作曲者に立ち会ってもらい練習を重ねた。その中で「これは弾けません」という場所が出てくる。ここを下げ弓でこれだけ弾くと、次にこの音を弓のこの場所で弾くのは大変です。実演しながら説明をしていると、へぇそれは難しいんですね、と驚かれたり、反対に、こんなこともできるんだ、と言われたり。あるいは、弦楽器のことを知らない人に奏法を言葉で説明するのが難しいこともあった。

 

ボウイングとは、あまりに感覚的なものなのだろうか。また、移弦という発想が、弦楽器奏者には染み付いているけれど、これを他者にわかるように言葉にするのは難しい。例えば目の前に3オクターブの音階を示されたとする。奏者はそれを見て何を思うだろうか。ピアニストだったら、何の指から始めて、どこで親指を手の平の下へくぐらせるかを考えるだろう。弦楽器は? この弦で始めてここでポジションチェンジをして……この説明で奏者の気持ちになれる人は、弦楽器のことをよく知っている人に違いない。

 

弦楽器奏者にボウイングとは何か、移弦とは何かと訊くのは、人間に二足歩行とはどうやってするのか、または生き物に、呼吸とはどうなっているのか、と訊ねることに似ているかもしれない。自分から「あたりまえ」を取り除いてみるというのは、なかなかできない。

 

個と般

 

普通、という言葉がある。わたしはこの言葉にはふたつの意味があると思う。ひとつは、世の中において普遍的なもの、ということ。もうひとつは、自分なり他人なり、その人の日常。つまり、あたりまえ。

 

モノマネがおもしろいのは、その人だけが「ふつう」「あたりまえ」と思っていることを、他者が真似することで、当人から切り離して見るからである。それを本人が「自分のこういう癖、おもしろいでしょう」と言ったら、興ざめというものだ。

 

つまり、普遍的な、一般的な、を意味する「普通」は、同時にものすごくパーソナルな意味も抱えている。しかしわたしたちは往々にして気づかない。自分のふつうは、他人のふつうではなく、むしろイレギュラーであることに。

 

「そういうわけだから結局『ふつうの人』って世の中にいないよね。」人から変人だねと言われて、そう返していた友人がいる。自分は普通の人間だと思っている人ほど、おもしろい人だったりする。先の作曲科の人からこんな話を聞いた。ある哲学者の言葉らしいのだが、喜劇役者が自分のことをおもしろいと感じた瞬間、観衆が感じるおもしろさは半減する、というような内容だった。真面目にやっていることこそが、多いにウケる。自分で自分をおもしろいと思って失敗するわかりやすい例は、オヤジギャグだ。おっと失礼……

 

では普遍的な共通認識は世間に存在しないのだろうか。いやいや、「常識」というのは確かにある。簡単なところからいくと、人に意地悪をしない、あいさつをする、思いやりの気持ちを持つ……盗みを働かない、であったり、人を傷つけないこともまた常識。つまり、人々の普遍的な認識を、誤解や差異による争いが生まれないように明文化したものが憲法や法律なのではないか。「正義」というのは個々によって考え方が異なるので、一見、具体的な正と悪を示す「法」とは相反する、抽象的なものに思える。けれど法というのは、万人の正義をまとめたものであるから、このふたつは同一直線上にあると言える。みんなの常識の上に立つ「法」。では、わたしたちの「知る権利」は、あって「あたりまえ」と言えるのか、はたまた、言えないのか。

 

呼吸 その2

 

呼吸ほど、あってあたりまえのものもないけれど、呼吸ほど、感謝しなければならない存在もないかもしれない。たとえば1日を終えて床に就くとき。あぁ、明日はあれしなきゃ、これしなきゃ。いやだなぁ、明日が来なければいいのに。そう、一度も思ったことがない人はいるまい。けれど、それを本気で思う人も少ないであろう。明日が来なければいいといいつつ、なにも死にたいとまで考えているわけでもなくその言葉を使う人が大半。寝ている間も呼吸が絶えることなく続くことを、疑ってもみない。世の中にはもちろん、本当に追い詰められている人だっているけれど、まぁ、だいたいの人が無意識のうちに、明日がくることを信じ、願っている。

 

誰もがまたいつか会えると思っていた。オレグ・クリサ先生の奥さま、ピアニストのタチアナ先生。12月7日の午前1時すぎ、交通事故で亡くなった。クリサ先生は2009年度の藝大特別招聘教授で現在はイーストマン音楽院の教授を務めていて、今でも日本の講習会によくいらしているが、必ず奥さまも一緒だった。この日もおふたりは一緒で、奥さまが運転していた車が、高速道路を逆走してきた泥酔ドライバーの車に正面衝突されたそうだ。同乗していたクリサ先生は軽症で済んだものの、その心の傷はいかばかりか。わたしは想像に絶する。コンクールの審査へも一緒に行く「おしどり夫婦」として有名だったそうで、ちょうど来月もご夫婦で来日予定だった。

 

思い返せば、わたしが初めて受けた外国人の先生のレッスンは、クリサ先生とタチアナ先生だった。高校1年生の夏の講習会。すっと背が高く若々しくて紳士的なクリサ先生に魅了された。優しくて、人を安心させてくれる、そんなお人柄。いつもおふたりでにこにことしていたのが印象的だった。そのセミナーの最終日には、ご夫妻によるミニコンサートがあって、パガニーニの奇想曲のピアノ伴奏つきを弾いてらしたのをよく覚えている。

 

正直なところ、あまり実感が湧かず、悲しいというよりは、驚いている。

 

 

 

Q:2013年を振り返って、一番嬉しかったことは?

 

A:リレーコラムにコーナーをいただいたことです(笑)。いや冗談でなく。周りの人に、特技を活かせる場を得られてよかったね、と言われます。そうして、わたしはみなさんに見守っていただいているんだなぁと実感できました。

原 田 真 帆

Maho Harada(Violin)

こんにちは。

年内は、ここでコラムを書かせて頂くのも今回で最後ですね!
とうとう12月になったと思いきや、気がつけばもう本当に残り僅か。
皆さん、今年はどのような1年でしたか?
私は1年が終わる毎に「今までで1番良い年だったなぁ!」と思うのです。
どんな経験も、全てに意味があって自分の成長に繋がったり音楽に活きてくる。そう思っています。

 

今年はこれから先の、私にとって特に記憶に残るだろう1年となりました。
春に初めてアルバムをリリースしたり、東京ヴァイオリンというユニットでの活動も始めたり。
そしてずっと目標だったNHKエルムンドに荒井桃子として出演させて頂けたこと! 久しぶりに嬉し涙というものを流しました。
また、素晴しいミュージシャンの方々との出会いもたくさんありました。
勿論、色々なお話をしてくださって教わったこともありますが、音と音の会話で教わる事がたくさんありました。
でも毎年思うのは全ての出会いに感謝ということです。出会いは宝です。
思い起こすと、あの人に出会えたから今の私がある!なんてことがたくさん。
今年は今まで以上に突っ走ってきましたが、有り難いことに色々なお仕事や経験をさせて頂けて、本当に充実した日々でした。
楽しいだけではなく、色々なプレッシャーや悩みもありましたが、それさえも乗り越えると笑顔に変わっていました。
今年のことを振り返りだすと止まらなくなりそうです(笑)。
もう少し年内の活動は残っていますが、そろそろ来年の目標を具体的に決めていこうと思っています。

 

もともと文章を書くことは好きでしたが、こうして定期的にコラムを書かせて頂くことで言葉の大切さや難しさ、少しのニュアンスで伝わり方が違ってくるので面白いなぁと改めて感じ、勉強になります。
そして何より毎回読んでくださっている読者の皆さまに感謝です。
いつか「コラム読んでますよ」とライブなどで、声をかけてくださる方が増えたらいいなぁ。来年もどうぞよろしくお願い致します☆

 

 

 

 

 


Q:2013年を振り返って、一番嬉しかったことは?

 

A:たくさんありすぎて選ぶのが難しいです・・・。(笑)
音楽活動ではやはり目標だったNHKエルムンドへの出演ですね。
でもその出演も素晴しい出会いがあってこそ。私と出会ってくださった、全ての皆さんありがとうございました。心から感謝です。

荒 井 桃 子

Momoko Arai(Violin)

皆さま、こんにちは!
このリレーコラムもついに7周目! いよいよ年内最後の回となりました。

 

今年の冬は、冷え込みがかなり厳しいですね。
当コラム5周目の共通質問で「寒い季節は好き」と答えましたが、やはり暑い季節よりも冬の方が、私自身の性には合っているようです。
大雪などで交通機関が大幅に乱れるのは歓迎できませんが(笑)、この時季は、好物の甘酒が最も美味しく感じられます☆

 

その他にも、12月の風物詩として時々懐かしく思い出すのが、ホットワイン。
高校を卒業した年から8年間の留学生活をおくっていたスイス・ジュネーヴで、このホットワイン、またはフランス語の呼称で « vin chaud »(ヴァン・ショー)を満喫していました。
(現地では18歳以上の飲酒は法律で認められています。念のため。)
当時、音楽院での練習を終えて旧市街の冷たい石畳の上を足早に通り過ぎていき、息が白くなりながらたどり着いたカフェでいただく vin chaud は、寒さで縮こまった身体にやさしく沁みこんでいきました。
カップの中から、もわ~んと立ちのぼるワインの蒸気と、シナモンとオレンジの香りが混ざり合い、その瞬間は、海外生活のストレスや不安もほっと和らぎました。
と言いつつも、やはりアルコール飲料であることに変わりはなかったので、よい子としてはもちろん「適量」を嗜む程度でした(笑)。
きっと、お酒も、音楽におけるルバートも、「ほろ酔い気分」くらいがベストなのかもしれませんね。なーんちゃって。

 

とにもかくにも、夏から始まったこの連載コラムを通して定期的に文章を書くようになってから、自分自身にもちょっとした変化が訪れてきていることを実感しております。
例えば、普段考えていることや感じたことを語るときに、日常会話だけであれば記憶の隅っこに追いやられてしまいそうなディテールも、文字にする作業を経ることによって、鮮明に浮かび上がってくるのです。まるでカメラのレンズを覗きこみながら、最初は霞んでいた遠くの景色が、次第にピントが合ってきて、くっきりと見えてくるような感覚です。
と同時に、やはり〆切が近づいてくると正直あたふたしたりもしますが、自分の言葉を探し出すプロセスは興味深いです。

 

これらのことが今後、私自身の音楽との向き合い方や練習方法、共演者とのコミュニケーションの取り方、そして何よりも楽譜を深く読み込んでいく作業に、もっともっと活かせるように精進していきたいと思っております。

 

 

 

 

Q:2013年を振り返って、一番嬉しかったことは?
 
A:月並みですが、この一年間を大きな怪我や病気もなく、健やかに過ごせたことです。

石 塚 彩 子

Ayako Ishizuka(Piano)

皆様、年の瀬いかがお過ごしでしょうか?
2013年も残りわずか……あっという間でしたが、改めてこの1年を振り返るといろいろと環境の変化があったように思います。


8月からここでコラムを書かせていただき、改めて自分のことを考える機会も多くなり、「気づけば、もういい歳だな」なんて感じることも……(笑)。


そうは言っても僕のコラムは、やれビールだマラソンだと、全然音楽のことを深く書かないのですが。
これには少しこだわりみたいなものがありまして、今の自分を形成しているのは根本を見ればマラソンやビールだったりするわけです。


なんというか、東京で生まれて東京で育ったならば、音楽、ましてやチェロなんか絶対にやっていなかっただろうし、全く違う人生を歩んでいたのだと思います。


田舎で育ったということは、マイナスなようでプラスなのかもしれませんね(笑)。


ということで、最近の僕を形成している要素は「日本酒」です。


もともと大好きだったのですが、コレ!という酒に出逢えたのは今年の大きな収穫でした。


鳳凰美田
華やかな香りとしっかりとした旨みが特徴ですが、内面から発する華やかさと優しさがあるような、美しい一品。

 

遊穂 しろ
新酒らしい麹の香り、酸味と旨味がふくらむ厚みのある味わいですが、微発泡なのでフレッシュな味わいとキレの良い後味、心地よい爽やかな含み香と爽快感が余韻として残ります。

 
他にもたくさんありますが、この二つは外せませんね!
と、書いていたらまた飲みたくなってまいりました。行っちゃおうかな……

 

 

 

 

Q:2013年を振り返って、一番嬉しかったことは?
 
A:そう言われると難しいですが、行きつけの飲み屋が出来たことでしょうか(笑)。

 

小 野 木 遼

Ryou Onoki(Cello)

クリスマスも終わり、年末ですね。

皆様はいかがお過ごしでしょうか?

 

こちらは相変わらずの締め切りラッシュ^^;
無事年を越せるのでしょうか(笑)。がんばりますっ!

 

今年は桐朋を卒業して最初の1年目なので、振り返るといろいろなことがありましたが、とても充実した1年でした。

 

いろんな本番やアレンジをしてきましたが、編曲し演奏する本番は近いものだと「桐朋チェロアンサンブル」でしょうか。

 

僕の原点でもあり、最後のチェロアンサンブル。
やはり今年1年の中でも印象に強い本番でした。

 

アレンジャーとコンサートマスターをやらせて頂きましたが最後に8年間の集大成ということで新世界の最終楽章を40人超え編成でアレンジし、演奏しました。

 

コンサートマスターにはチェロカルテットメンバーの村井を。

研究科や4年生は後ろで支えるという昔からの伝統のようなものがあるので僕は「4か5Vcの後ろでお願いします♪」と言ったのですがチェロアンあるあるの「1Vcが難しい!!」(これでも大分易しく書いたつもりなのですが^^;)の為、責任を取る形で(毎年そうなのですがw)1Vcを演奏しました。

 

そして客席にはコラムメンバーでもあり去年まで桐朋チェロアンを支えてくれた大宮が。
こうやって少しずつ世代が交代し伝統が受け継がれていくんだなと実感しました。

 

来年は僕も客席にて聴きに行く予定ですが、これからの桐朋チェロアンが心配でもあり、とても楽しみです♪

 

僕のアレンジの方は桐朋チェロアンでの任期は終了しまいましたが、東京チェロアンサンブルやチェロカルテットの譜面を書いている為これからもいろいろな作品を作って演奏していこうと思います。

 

 

 

 

Q:2013年を振り返って、一番嬉しかったことは?

 

A:こちらも僕にとって人生の大きな出来事。
自分の楽器を買ったことです♪

これからかなり長い付き合いになるパートナー。
前回のコラムでも書かせていただきましたが毎日磨いて大切にしています(笑)。

小 林 幸 太 郎

Kotaro Kobayashi(Cello,Arrange)

© 2014 by アッコルド出版

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