今年の秋も第14回大阪国際音楽コンクールが開催された。
予選を通過した者が、国内10都市、海外ではオーストリア、フランス、韓国、タイ、中国、アメリカその他で行われた地区本選に進んだ。地区本選を突破した者がファイナルに駒を進め、各部門カテゴリー1位の18名がグランドファイナイル=ガラコンサートに出場した。
グランプリは今年も弦楽器が受賞したが、ピアノ部門Age-Uのアルフレード・オヴァレス(ベネズエラ) は独特の個性で大勢の印象に残った。彼はファイナルでは2位ではあったものの、1位と同等の実力を持っていることを評価され、審査員達の推薦枠でグランドファイナル=ガラコンサートに出場した。そのためグランプリの対象にはならなかったが、バーンスタイン[ウェスト・サイド・ストーリー]で勝負に出たチャレンジ精神は大いに評価され、大阪市長賞までも獲得。
彼はアメリカで学業を終了後、ウィーン国立音楽大学で修行中。初来日の今回、日本の素晴らしさと人の親切さに感動したと笑顔で語り、将来の夢は、音楽を自分の中で維持していくこと、そして音楽のために生きていくこと、そのためには「まずは練習、次に練習、とにかく練習」と静かに語る。世の中の人にはいつも音楽に触れていてほしい、クラシック音楽というジャンルに対する観念を通り越して音楽と接してほしい。音楽とは「楽しい」ものであり、楽しいからこそ音楽だというメッセージも最後に残してくれた。
また、大阪府知事賞を受賞した声楽部門Age-U第1位のシュテファン・ハジッチェ(セルビア)も審査員から大きな注目を浴びた。
第14回大阪国際音楽コンクール・レポート 文・ウララ・ササキ /ピアニスト
レポート
毎年ガラコンサートの前に行われるチャリティーコンサートでは、クロイツベルガー審査委員長が、北野裕孝とヴァイオリンデュオ、ギスラー=ハーゼとフルートデュオを、又ミューレンバッハ・モーツアルテウム教授がピアノソロを演奏するなど、チャリティに大いに貢献。集まった浄財は、あしなが育英会や動物愛護団体に贈られた。
今年も例年通り、20ヶ国以上から審査員・参加者が集まり、この期間の大阪はインターナショナルな雰囲気がいつも以上に漂っていた。違う文化の人間との触れ合いや観察も人を成長させる刺激になり、次のステップへ進むための励みにもなる。来年も夏から秋にかけて第15回アニバーサリーとなる大阪国際音楽コンクールが開催される。自分自身の向上のために、音楽の道を目指す人も、音楽を人生の目標にする人、奮って参加してみてほしい。
大阪国際音楽コンクール公式HP: http://osakaimc.com/
大阪府知事賞を受賞した声楽部門Age-U第1位のシュテファン・ハジッチェ(セルビア)
チャリティーコンサートでは、クロイツベルガー審査委員長が、北野裕孝とヴァイオリンデュオ
そして、ギスラー=ハーゼとフルートデュオ
ウララ・ササキさん