インタヴュー

Paulownia Cello Quartet
チェロ・クァルテットの魅力

桐朋学園出身の大宮理人さん、小林幸太郎さん、村井智さん、横田誠治さん(在学中)によるチェロ・クァルテットが5月29日 恵比寿アートカフェ・フレンズにてライヴを行なう。大宮理人さんにお話をうかがった。

Paulownia Cello Quartet

【会 場】恵比寿アートカフェ・フレンズ

【時 間】18:00 OPEN 19:30 START

【出 演】大宮理人、小林幸太郎、村井智、横田誠治

【曲 目】ピアソラシリーズ

     ダッタン人の踊りより抜粋

     ディープパープルメドレー

     演奏会用ポロネーズ、新曲アレンジ集 他

【チャージ】一般:¥3000+ドリンク(¥500)

      学生:¥2000+ドリンク(¥500)

詳細・予約:http://www.artcafefriends.jp

「NHK交響楽団の首席と3人のフォアシュピーラーによるラ・クァルティーナの演奏で、初めてチェロ・クァルテットを聴きました。チェロだけ、しかもクァルテットが演奏できるということは、僕にとっては衝撃的で、チェロでできることは、想像以上にたくさんある、と感じました。



その後、桐朋学園に進学したのですが、桐朋のチェロ科は有志でほとんどの人が『桐朋チェロアンサンブル』に参加するんです。そこでは、様々な形態のチェロ・アンサンブルに触れました。もちろんチェロ・クァルテットも。


そこでの演奏を通して、気の合うメンバーが集まり、一緒に演奏するようになったのが、このチェロ・クァルテットのきっかけになりました。」



ーー恵比寿アートカフェ・フレンズで、これまで3回のライヴを行っていますね。



「ヴァイオリニストの荒井桃子さんがフレンズでライヴを行なった際、共演させていただいたのですが、そのときにカフェのオーナーさんに声をかけていただいて、それから時々弾かせていただくようになったんです。



今回のライヴが4回目になりますが、実はメンバーは固定ではありません。留学して日本にいなかったり、他の予定とブッキングして出られないときは、他のチェリストに声をかける、というような形をとっています。



今回のメンバーは僕と、小林幸太郎、横田誠治、村井智です。」



ーーチェロ・クァルテットの魅力は?



「チェロは他の弦楽器に比べて音域が広いので、4人揃うと弦楽クァルテットのようにパート分担がしやすく、だからこそ、同じ楽器だけでこういったアンサンブルができるんです。また、4人編成だと、それぞれの個性が出しやすい。



ですから、曲決めをするときに、作品の特性に合わせてパートを入れ替えています。4人それぞれ持ち味が違いますから。



例えば、小林幸太郎は演奏のセンスが良くて、僕は彼のグリッサンドの感じが好きです。横田誠治はクラシカルな演奏に長けている。それを裏付ける知識も豊富です。村井智は右手の使い方が巧くて、音量と音色の幅が群を抜いているんです。厳つい音を出したり、また逆に、きれいにうたったりするのがうまいです。僕は個人的に内声を担当するのが好きです。

自分にないものをもっているので、お互いに尊敬し合っています。」



ーーチェロ・アンサンブルならではの難しさというのもある?



「やはりバランスは大事です。弦楽アンサンブル全般に言えることではあるのですが、特にこういった同じ楽器同士のアンサンブルの時は、音が混じりやすいので、弾き方を少し変えたりして音色に変化をつけます。



それから、曲に対して自分が出したい音と、客席でどのように聞こえるか、ということ、その二つのバランスを見ながら作品を作っていきます。そのバランスに関しては、GPで確認して、変更することもあります。


また、アレンジ作品が多いので、原曲ではどの楽器が担当しているか、ということを意識して、音色を近づけたりします。」



ーー今回の聴きどころは?



「今回は、ポッパーの『演奏会用ポロネーズ』以外はほぼ新譜ですし、いろいろなジャンルを取り上げますので、楽しんでいただけると思います。


中でも、フレスコヴァルディのトッカータは、変わったアレンジなので聴き応えがあると思います。


もともとピアノとチェロとの編成なのですが、チェロ4人でメロディーを4分割して、更に伴奏も4人で回します。メロディーが移り変わりますので、より立体的に感じていただけるのではないかと思います。」

今ではそれほどレアな印象を受けなくなったチェロ・アンサンブルだが、今のように盛んに演奏されるようになったのは、それほど昔のことではない。



例えば、世界的にチェロ・アンサンブルが流行するきっかけともなったベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによる「12人のチェリストたち」も、結成は1972年だ。

Paulownia Cello Quartetメンバーの大宮理人さんがはじめてチェロ・クァルテットの演奏を聴いたのは中学2年生のときだったそうだ。

大宮理人 Yoshito Oomiya
平成1年11月1日生まれ。横浜市出身。7歳よりチェロに親しむ。
2004年 テレビ朝日「題名のない音楽会21」~未来の大器~に出演。ドヴォルザークチェロコンチェルトを演奏(飯森範親指揮)
2005年 第5回泉の森ジュニアチェロコンクール高校以上の部で銀賞受賞。2006桐朋学園主催スチューデントコンサートに出演。
年 桐朋学園音楽部門 平成19年度高校卒業演奏会に出演。2008からサイトウ・キネン・フェスティバル、室内楽講座、青少年の為のオペラ、小澤征爾音楽塾中国公演などに参加。これまでチェロを石橋かほる、毛利伯郎の各氏に、室内楽を毛利伯郎、諸田由里子、東京クァルテットの各氏に師事。現在フリーランスのチェリストとして、ソロ、室内楽、オーケストラ等多数出演。

小林幸太郎 Kotaro Kobayashi
7歳よりチェロをはじめる。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)を経て、桐朋学園大学音楽学部卒業。
泉の森ジュニアチェロコンクール全部門金賞、ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール特別賞受賞。
プロジェクトQ、JTが育てるアンサンブルシリーズ、別府アルゲリッチ音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭などに出演。
これまでに室内楽を堤剛、古川展生、藤井一興、藤原浜雄、三上桂子、加藤知子、東京クァルテット各氏に師事。
現在チェロを倉田澄子氏に師事。作編曲を父、小林幸一に師事。桐朋学園チェロアンサンブルの常任アレンジャー、コンサートマスターを経て、現在、チェリスト、作編曲家として国内外多数のアーティスト、団体と共演、譜面制作に携わってる。

村井智  Satoru Murai
1991年生まれ。北海道出身。
4才よりチェロを始める。現在桐朋学園大学カレッジディプロマコースに在学中。
2010年よりアップビート十勝音楽祭に出演。2010年度「チェロアンサンブル サイトウ」奨学生。
第16回宮崎国際音楽祭にて指揮徳永二男、宮崎国際音楽祭管弦楽団メンバー、宮崎ジュニアオーケストラと共演。
2012年IMA音楽賞受賞。
これまでにチェロを上原与四郎、毛利伯郎の両氏に、室内楽を毛利伯郎、原田幸一郎、徳永二男、藤原浜雄、藤井一興の各氏に師事。

横田誠治 Seiji Yokota
7歳よりチェロを始める。泉の森ジュニアチェロコンクール銀賞、KOBE国際学生音楽コンクール弦楽器部門優秀賞併せて特別賞。
コンセールマロニエ21弦楽器部門第2位。小澤征爾音楽塾オーケストラメンバー。2011年、小澤国際室内楽アカデミー奥志賀、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭に出演。2010年~2012年、桐朋学園室内楽演奏会出演。2012年、アラン・ムニエ氏、ルイス・クラレット氏のマスタークラスを受講。2013年、JTが育てるアンサンブルシリーズ出演。桐朋学園オーケストラとして、ヴィオラ・スペース、別府アルゲリッチ音楽祭に参加。これまでにチェロを菅野博文、倉田澄子の各氏に、室内楽を東京カルテット、岩崎洸、徳永二男、原田幸一郎、佐々木亮、藤井一興の各氏に師事。現在、桐朋学園大学4年在学中。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm17190416



小林幸太郎さんによるアレンジ。

 

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