謀らずも、見事にマッチした受賞者と楽器の個性
第1位受賞者のJANG Yoo Jin(チャン・ユジン)さんに、アントニオ・ストラディヴァリウス「レインヴィル」1697年。
第2位受賞者のYANG In Mo(ヤン・インモ)さんに、ミケランジェロ・ベルゴンツィ(EX.ミンツ) 1764年。
そして第3位受賞者の大江 馨さんに、ジョヴァンニ・フランチェスコ・プレッセンダ(EX.シュルツ) 1831年が貸与された。
楽器の貸与は二年間。
貸与式は、コンクールの顧問である宗次徳二氏の式辞に始まった。
「第4回の宗次エンジェルヴァイオリンコンクールも成功裏に終わりました。今晩、東京の地において、このように貸与させていただくことを本当に嬉しく思います。二年間の短い期間ではありますが、お三方には、十分弾きこなしていただいて、またさらなるステップアップを図っていただきたいと思います。」
貸与契約・調印式の後、貸与式が行なわれ、受賞者それぞれがお礼の言葉を述べた。
第3位の大江さんの言葉。
「この度は、素晴らしい楽器をお貸しいただけるということで、有り難うございます。私は今まで、長期間にわたってこのような素晴らしい楽器をお借りして使用したことはなく、新しい楽器を弾いてきたので、オールドの弾き方等分からないところがあったと思いますが、今日の貸与式まで一ヶ月ほど試奏してみたところ、今までに味わったことのない深くて美しい音色というものを感じ、大変感動致しました。
これからさらに弾き込むことによって、さらに良くなっていくと思うのですが、楽器本来の最高の音が出せるように、これからも精進して参りたいと思います。そしてその音をできるだけたくさんの人に聴いていただき、この楽器と共に私も成長していけるように勉強していきたいと思います。本日は、本当に有り難うございます。」
第2位のYANG In Mo(ヤン・インモ)さんの言葉。
「このような素晴らしい楽器を使わせていただくのは初めての経験です。大切に扱うことをお約束しますし、楽器のベストの音が出せるように一生懸命努力したいと思います。有り難うございます。」
第1位のJANG Yoo Jin(チャン・ユジン)さんの言葉。
「素晴らしい機会を与えてくださったことに感謝します。このような素晴らしい楽器をを二年間使うことによって、楽器が私に、音楽家としてどのような姿勢であるべきか、を教えてくれると思います。楽器を通して成長していきたいと思います。」
レポート
第4回 宗次エンジェルヴァイオリンコンクール2013楽器貸与式
右から、中澤宗幸プロデューサー、第2位受賞者のYANG In Mo(ヤン・インモ)さん、第1位受賞者のJANG Yoo Jin(チャン・ユジン)さん、
宗次徳二顧問、第3位受賞者の大江 馨さん、
宗次徳二・顧問
第4回宗次エンジェルヴァイオリンコンクール2013は、去る3月24〜30日、名古屋の宗次ホールにおいて行なわれたが、このコンクールの最も大きな意義としては、副賞としての名器の貸与がある。その貸与式が5月11日(土)に東京渋谷のサロンデュオにおいて行なわれた。
向かって左から
ミケランジェロ・ベルゴンツィ(EX.ミンツ)1764年
アントニオ・ストラディヴァリウス「レインヴィル」1697年
ジョヴァンニ・フランチェスコ・プレッセンダ(EX.シュルツ) 1831年
大江 馨さん
YANG In Mo(ヤン・インモ)さん
JANG Yoo Jin(チャン・ユジン)さん
中澤宗幸プロデューサーからは、
「おめでとうございます。今、こうやって皆さんのお顔を見ていると、コンクールの時の真摯な姿勢を思い出します。これから、貸与される楽器を使い、武器として活躍されていくわけですが、とにかく研鑽を積んで、いろいろな場所での活躍を期待しております。」との言葉が。
記念撮影の後、貸与者3名による記念演奏が行なわれた。大江さんが、エルガーの愛の挨拶、ヤン・インモさんが、バッハのシャコンヌより、チャン・ユジンさんが、ビーバーのパッサカリアを演奏。
それぞれの個性と楽器の特性が見事に合わさったさすがの演奏であった。この選曲は、それぞれの受賞者が、楽器の特性を考慮して選んだのではないか、と思われるくらい、見事な響きを醸し出していた。
この式のあと、受賞者、コンクール関係者、ゲストらの懇親会が行なわれ親睦が深められた。
宗次エンジェルヴァイオリンコンクール・ホームページ
中澤宗幸プロデューサー
審査員のSungsic Yangさん(右から3人目)、中澤きみ子さん(右から4人目)も同席